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ロジカル入門編 数字に強くなるMECE(ミーシー)とは? 実用例で解説

こんにちは、しげです。

メーカー営業マンから総合商社に転職、2014年に米国公認会計士に登録して、今では外資系のマーケティングマネージャーです。

転職とキャリアアップ、資産運用や、これらに役立つベラルアーツ、本等を紹介しています。

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今回は、ロジカル・シンキングの基本、MECEについてわかりやすくまとめました。

また、会社の数字を理解するためのMECEを実用例として挙げましたので、参考にしてください。

会社の数字をロジカルに説明するのにMECEが有効であることがわかるかと思います。

MECEは、何かを論理的(ロジカルに)説明する上で、むちゃくちゃ重要な考え方です。

この機会に是非とも身に付けておきましょう。

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mece(ミーシー)とは

meceは”Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive”の略語、日本語では「モレなく、ダブりなく」と訳されます。

ベストセラー著書“ロジカル・シンキング”によると下記のようになります。

ポイント

ある事柄や概念を、重なりなく、しかも全体として漏れのない部分の集まりで捉えること

簡単な例)

MECEは説明内容を論理的に整理するために使われる道具の一つですが、そのほかにロジックツリーなどがあります。

実は、両方とも、経営コンサルティングのマッキンゼーで使われていたことで有名になりました。

ある事柄や問題点を説明する際に、その全体像を的確に捉えて整理することができ、非常に便利な考え方です。

繰り返しますが、社会人として覚えておいて、絶対に損はしないでしょう。

それでは、次にもう少しほり下げて解説していきます。

覚えておくと便利MECEの4パターン

上司に問題点などを説明する際に、思いつくままに話したり、箇条書きしていませんか?

しかし、それだけは、相手が混乱してしまいます。

重要なことは、その説明内容を整理してグループ分けし、重要度を判定すること。

そして、結局何が言えるのか?

つまり、分析により、本質や重要な課題がなんなのかを明らかにすることです。

ただ、急にMECEを意識して情報を整理しようとしてもなかなかできないもの。

そこで、以下の4パターンを意識しておくと良いでしょう。

1要素分解

物事を全体像で捉え、モレ・ダブりがない要素で分解する手法です。

一般的な要素分解

年齢、性別、地域、など

それぞれの要素は互いにダブっていることもなく、モレなく抽出することができることは明らかでしょう。

知っておくと便利なフレームワーク

また、知っておくと便利なMECEのフレームワークがあります。

完全にMECEとは言い切れないが、一般的にここを抑えておけば大きな剥離はないという手法です。

例えば以下のようなフレームワークです。

3C :

その業界全体を把握するのに利用するフレームワーク

Customer, Competitor, Company, Channel

4P

マーケティングについて考えるときに利用するフレームワーク

Product, Price, Place, Promotion

2流れ・ステップ

物の事を時間軸で分けて捉える手法です。以下のような切り口があります。

認知、理解、動機付け

研究開発、生産、販売

過去、現在、未来

3.対象概念

二つ以上の対象を比較する手法です。

質と量

事実と判断

予算、実績、見込み

過去、現在、未来

4.因数分解

分析したい対象、例えば売上や利益について、構成する因数(要素)を使って計算式で表す手法です。

難しい計算式を使う必要はありませんが、計算式によって抽出される課題が異なってくることには注意が必要です。

例えば、売上は以下の数式どちらでも表すことができます。

  • 売上=数量x単価
  • 売上=顧客単価x顧客数xリピート数

前者は、全体感を表しているので、さらなる因数分解が必要となりそうです

一方、後者は、顧客行動に課題が絞られています。

会社の数字に強くなるMECE(ミーシー)

利益を決める4つの要素をMECEで考えてみましょう。

色々な因数分解の方法がありますが、ここでは次の4つの要素に分解します。

  • 単価(売値)
  • 販売数量
  • 変動費(販売数量に伴って変動する費用) 例えば、材料費や運送費です。
  • 固定費(販売数量に関係なく一定額消費される費用)

これら4つの要素でモレ、ダブりはないことがわかると思います。

それでは、4つの要素がどのように利益に影響を与えるのか、どの要素を改善すると利益を増やすことができるのか、実用例でみてみましょう。

実用例1)meceで商社の利益アップを考えてみる

ある商社の売上・利益は下記のような計算で表すことができます。

現在)利益0=売上(10,000個 x 100/)- (10,000個 x 80/) – 200,000

この商社で利益50,000を上げるための案をそれぞれの要素で検討してみましょう。

単価アップ案

単価アップだけで利益50,000を出すためには、単価100/を単価105/にする必要があります。つまり、5%の値上げです。

数量アップ案

数量アップだけで利益50,000を出すためには、数量10,000個を12,500個にする必要があります。つまり、25%の販売数量アップです。

変動費削減案

変動費削減だけで利益50,000を出すためには、変動費80/-を75/-にする必要があります。つまり、6.75%の削減です。

固定費削減案

固定費削減だけで利益50,000を出すためには、固定費200,000を150,000にする必要があります。つまり、25%の削減です。

原料などを扱う商社は典型的な薄利多売業界です。

そのため、粗利率が非常に小さく、逆ざやで販売するケースもあるほどです。

また、単価が市場の需給に左右されやすく、いかにして仕入れコストを削減することができるかがカギになります。

つまり、変動費削減案が採用されやすい業界です。

(ただし、トレード部門に限ります。現在商社が力を入れている事業投資からの収益については別です。不採算事業は、丸ごと他社に売却したりします。)

実用例2)meceでコンサルのリストラ策を考えてみる

コンサル業界が扱うのは、アドバイザリーサービスなどですから、費用については、材料費などの変動費は存在せず、人件費などの固定費がほとんどです。

現在)粗利▲5,000,000 = 売上10,000,000(1,000,000 x 10案件) – 固定費15,000,000

この例で粗利マイナス10,000,000をゼロにするリストラ案をMECEで考えてみましょう。

単価を上げる案

案件あたりの単価を1,000,000から1,500,000にアップさせる案です。

つまり、50%の値上げです。

案件数を増やす案

獲得案件を10案件から15案件に増やす案です。

こちらも50%増ですね。

固定費削減案

固定費15,000,000を10,000,000に削減します。

こちらは33%削減で済みますね。

コンサルタント業界は、不況になるとリストラと称して人員整理、雇用を絞る傾向があります。

MECEで因数分解して各要素に対する案を検討すると、固定費を削減することが最も効率的かつ効果的な案であることがロジカルに説明できるのです。

まとめ

以上、 MECEについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

いいところづくしのMECEに思えますが、MECEで考えることが適切ではない場合もあります。

例えば、映画の分類はどうでしょう?

アニメとアニメ以外という分類はMECEに分類できそうです。

子供向けと大人向けという分類はどうでしょう?

実際には、子供向けでも大人がみる映画もありそうです。

アクションとファンタジーといった分類でも、両方の要素を持つ映画もありますね。

皆さんも、ファンタジーだと思って探していたタイトルの映画が、実はアクションに分類されていたということもあるのではないででしょうか?

これらの分類は、課題解決問よりも検索を容易にすることが目的ですので、MECEよりもタグ付けした方が良さそうです。

このように目的によってはMECEを使うことが適当ではないケースもあることは注意が必要です。

優先順位を2軸で説明する

MECEで分類する目的は、それぞれの要素の優先順位をつけて、取り組むべきアクション(課題)を抽出、関係者に納得して協力してもらうことです。

例えば、実例1)商社のケースです。

効率を考えると、価格アップ案つまり値上げが最善となります。

一方、難易度から考えると、変動費削減策を採用されることが一般的です。

ただし、外部環境によっても異なり、例えば、長期的な将来性がない分野であれば、固定費を削減する案も採用されることがあるでしょう。

このように、単一的に考えて説明することは、優先順位付けを誤る可能性があることを頭に入れておいてください。

会社の数字はMECEを学ぶ最高の素材

全ての対象がMECEに分類できる訳ではありませんが、ほとんどの会社の数字はMECEに因数分解可能です。

売上や利益だけではなく、ROIC(Return on Invested Capital 投下資本利益率), ROE(Return of Equity 自己資本利益率)といった会計上の数字についても、因数分解することが可能です。

しかも完全にMECEです。

まずは、これらの数字を使って、自社を分析してみてはいかがでしょう?

課題解決の強力な武器になること間違いなしです。

 

 

 

 

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