転職にあたって自己分析を始めたはいいけれど、やり方がわからない・・・。
何から手をつけていいの?やりたいことが多すぎてまとまらなくなってしまった・・・
今回は、こんな悩みを持っている人を持っている方々に、誰にでも簡単にできる自己分析のやり方を解説します。
ダメな自己分析のやり方も紹介しますので、自己紹介が複雑になってまとまらなくなってしまった人にもおすすめですよ。
20代、30代、40代と3度の転職を成功させて年収1,200万円越えを達成、現在4度目の転職活動中のトシがお答えします。
いきなり結論です。
結論
自己分析は、「Can」つまり”実務経験”と”スキル”に集中すべし、「Want」についてはやってはやらなくてもOKです。
最初にやることは、「Want」”やりたいこと”をはっきりさせることではないの?
と不思議に思った方もいるかもしれません。
しかし、特に転職活動における自己分析は、「Can」”何ができるのか?”を明確にする作業が極めて重要となります。
それでは、以下の項目で掘り下げて解説していきましょう。
なぜ自己分析が必要か
転職成功の基準を明確にするため
あなたはなぜ転職をしようと思ったのでしょうか?
「職場の人間関係が悪い。」
「成長が見込めない。」
などなど、現状に対する不満が理由になっている人は多いのではないでしょうか。
当然ながらこのような理由を面接で話せば一発アウトです。
こういった心境の人は、現状を周りのせいにしているだけの可能性があるとみなされるためです。
参考までに心理学者三大巨頭アドラーの心理学から以下の言葉を抜粋します。
「不満ばかり言って行動を起こさない人間は、自分以外の他人や周囲の環境を理由にして行動を起こさずに楽をしているだけ。」
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今一度、現状に対する不満以外の転職理由を探してみましょう。
それが後述する「転職の軸」になり得るのです。
そして、その「転職の軸」に沿った転職を果たしたとき、初めて成功したと言えるようになります。
適切な希望職種、業種を探し出すため
当然ながら、世の中には膨大な数の企業、職種が存在します。
大手リクルートエージェントであれば、求人企業数は年間1万3千件以上にもなります。
闇雲に当たっていては、余計な時間と労力が増えるばかりです。
自己分析により、効率的に適切な希望職種&業種を探し出すことが重要となってきます。
ちなみに、私は3度の転職を成功させ、現在4度目の転職に挑戦中ですが毎回自己分析を行っています。
その都度、業種が変わっていますが、キャリアと年収は積み上がっているのでよしとしています。
このような転職を「Motoさん」によると軸ずらし転職と呼ぶそうですね。
過去に転職を成功させている人であっても、必ず自己分析をするようにしましょう。
書類選考及び面接を通過するため
自己分析は書類選考及び面接を通過するためにも必要となります。
ここで採用プロセスを振り返ってみます。
- エントリーもしくは転職エージェント推薦
- 適性検査(省略される場合もあります)
- 書類選考
- 面接2−3回
- 内定
- オファー面談(企業から内定者に対する採用条件の説明)
という流れですね。
これらの各プロセスには事前準備が必要ですが、闇雲に始めても非効率です。
核となる情報を整理しておくことが必要となります。
その情報が「自己分析」というわけです。。
つまり、自己分析は自身の「業務経験」、「スキル」、「長所&短所」を洗い出すプロセスです。
これらを抽出して初めて、「転職理由」、「志望動機」、「将来のビジョン」など、志望企業に沿って説明することができるようになります。
ダメな自己分析例「Want」とオススメ分析例「Can」
自己分析には、以下の二つの切り口があります。
「Can」と「Want」です。
ポイント
- 「Can」:何ができるのか?何を成し遂げてきたのか?スキルは?
- 「Want」:やりたいことは?何がしたいのか?何が欲しいのか?何の業界がいいのか?
ここでダメな自己分析は、「Want」自分のやりたいことに固執することです
「Want」にこだわると、
「そもそも何がやりたいのかわからない・・・」
という状況に陥りやすいからです。
元々私は、スポーツがやりたかった!でもそんなのは夢でしかないなあ・・・・
好きな自動車に関わる仕事がやりたい。でも営業はやだなあ
とにかく楽に稼げる仕事はないかなあ・・・
こんな精神状態になり、ゴールのない自分探しの旅が始まってしまいます。
思い切って、「Want」”やりたいこと”については忘れてしまいましょう。
この後の自己分析3ステップに沿って、「Can」を起点にして自己分析をするのです。
自己分析3ステップ
それでは、自己分析3ステップについて解説していきます。
私もこのステップに従って自己分析を行った上で転職活動に挑み、少なからず内定をもらっています。
すぐには思考が進まないかもしれませんが、少しずつでもトライしてみましょう。
誰にでも素晴らしい自己分析があるはずです。
ステップ0 転職準備で最初にやるべきこと
転職準備で最初にやるべきことは、”転職の軸”つまり”あなたが転職で達成したい最優先事項を明確にすることです。”
このことは、有名Youtuberサラタメさんの著書にも書いてあり、私も全くの同意見です。
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それでは、”達成したい最優先事項”はどのように決めれば良いでしょうか。
上の図をご覧ください。
仕事でも同様ですが、「何かを達成したい、成し遂げたい!」と思ったときは、
”自分がどうなりたいのか?””あるべき姿はどのような状態なのか?”
を考えます。
”あるべき姿”についてもいろいろな考え方があると思います。
- 副業で安定したい!
- とにかく稼ぎまくりたい!
- 10年後には農業を始めたい!
- 自分で会社を立ち上げたい!
- 経理のプロになりたい!
などなど。
一方、"現在の姿"はどのような状態でしょう。
- 年収は600万円ほどで、部長ですら1000万円以下・・
- 月残業時間は60時間以上のブラック状態
- 開業資金は貯まらない・・
- 人脈が作れない・・
- 仕事が分散化されていて経験が積めない・・
- などなど
この現在の姿とあるべき姿のギャップが課題であり優先事項なのです。
そして課題を解決するための手段が転職となります。
もちろん、転職せずとも現職であるべき姿にたどりつくのであれば、転職しないもありです。
一つ注意しておくことは、このような自己分析は定期的に実施しておくということ。
あるべき姿が見えない状態は、頂上も自分のいる位置もわからないまま登山をするようなもの。
人生の迷子になってしまるからです。
もしも1人では見つめ直すことができない人は、転職エージェントを利用することもありでしょうね。
転職エージェントは、多くの質問で自分自身が何をどのように考えているのかサポートしてくれます。
繰り返しますが、現職であるべき姿にたどり着けるのであれば、転職しないもありですよ、
ステップ1 「Can」実務経験 今までどんな仕事をしてきたか?
最優先事項が決まったら「Can」の振り返りです。
繰り返しますが、ここでは実務経験とスキル「Can」に集中して振り返りましょう。
キャリアを通して、今までに経験してきた仕事を全て書き出してみます。
同時に職務経歴書に落とし込むこともおすすめですね。
私の場合は、単純に新卒から現職まで時系列で実務経験をリストにしています。
例えば以下のような項目でリスト化していきます。
S | 期間 | 2010年4月−2015年3月 |
配属先・職責 | 〇〇商事 事業開発部 課長 | |
T | 職務内容 | 新規事業FS、事業管理(予算実績管理、アクションプラン管理、連結純利益の最大化)、部下のマネジメント、 |
マネジメント | 10名 | |
A | 発揮した能力(スキル) |
|
R | 達成したこと |
|
このように整理すると、いわゆるSTARで実務経験を整理することができます。
- S:Situation 状況:いつ?配属先は?役職は?
- T:Task 職務内容:やるべきことは?求められていたことは?
- A:Action発揮した能力:どんなことをやったのか?どんな能力を発揮したのか?
- R:Result&Review 結果・達成したこと:どんな結果だったのか?反省点は?よかったことは?
転職面接で無茶苦茶大事なポイントの一つに、”具体的であること”があります。
実は、面接官が「もっと具体的に聞かせてください」と発言するときは要注意です。
あなたの発言が”具体的でない→わかりずらい&信用できない!”と捉えられている可能性があります。
数多くの面接を経験していますが、この発言が出た面接はほぼ不通過でした・・・・(泣)
是非とも実務経験・スキルを整理して、面接時にもSTARで答えられるよう準備しておきましょう!
ステップ2 「Can」スキル・強みの証明
面接でよく聞かれることの一つが「あなたの強み」です。
就職面接ほどではありませんが、転職面接でも聞かれます。
このとき実例、実務経験と絡めて具体的に話すように準備しておきしょう。
つまり、どのように成果を出した?が大事になってきます。
従って、実務経験からいくつかの強みキーワードを抜き出すことができればOKです。
このとき、組織の一員として動いた実務経験から考えると良いでしょう。
会社は組織で動くことで力を発揮する人間を必要としているからです。
例えば、
”課題解決力”を発揮した場合でも、あなた1人でその課題を解決したわけではありませんよね。
周りにサポートする人間やリードする人間がいたはずです。
そうすると、”課題解決力”だけではなく”巻き込み力”なども入れることができます!
チームで解決したこと、そのチームでどんな役割を果たしてその能力を発揮したのかを説明できるようにしておきましょう。
例えば、私は以下のようなまとめ方をしています。
強み
”課題解決力”
”巻き込み力”
具体的経験
S:2010年4月〜2015年3月
T:担当事業の黒字化
A:現状分析、課題の抽出、優先順位の決定、メンバーとの定期ミーティング、進捗管理とフォロー
R:黒字化を達成。プレイングマネージャーとして主体的に行動したことでメンバーの信頼を獲得
主に発揮した力は"課題解決力"ですが、その過程で"巻き込み力"も使われています。
両方のスキルを特定しておくことで、応募する企業が求める人物像によって使い分けることができるのです。
ステップ3 あなたの「Can」はその会社で役に立つのか?募集要項とのマッチング
一般的には、ステップ2までが自己分析と呼ばれています。
ステップ3は、自己分析の後に行うプロセス。
採用プロセスで自己分析を活用する段階、募集要項と自己分析「Can」のマッチングです。
会社が求める人物像には、およそ共通点が見られます。
例えば、以下のような内容を募集要項でよく見るのではないでしょうか。
- どんなことにも前向き
- チームプレイを重視
- 何事にもチャレンジする精神を持っている
- 自主的に課題を解決できる
- 内外関係者との関係構築能力
- ロジカルな思考
- 課題解決能力
- 高いコミュニケーション能力
などなど
どれもありきたりな文章・・・
具体的にどんな人物像なの?
と感じたのではないでしょうか。
そう、ポイントは具体的かどうか!なのです。
そもそも具体的ではない人物像を職務経歴書に記載したり、面接で発言したとしても説得力がありません。
具体的な根拠がないですよね。
そこで、募集要項に記載されている人物像と自己分析においてリスト化してSTARにまとめ上げた「Can」職務経歴・スキルを当てはめる作業が必要です。
特に募集要項に記載されている「単語」を使って説明することが超重要となります。
STEP2でSTARを使ってまとめた職務経験を振り返ると、募集要項に記載されている単語を使って説明できる経験があることに気がつくはずです。
S:2010年4月〜2015年3月
T:担当事業の黒字化
A:現状分析、課題の抽出、優先順位の決定、メンバーとの定期ミーティング、進捗管理とフォロー
R:黒字化を達成。プレイングマネージャーとして主体的に行動したことでメンバーの信頼を獲得
この分析から以下のような文章が作成できます。
「私の強みは、課題解決能力とチームプレイです。」
「2010年から2015年に事業担当者として担当事業を黒字化した経験があります。その際には、現状分析から始まり、チームメンバーと相談して課題を優先順位をつけて抽出しました。その後、アクションプランを作成、その進捗管理をするだけではなく、自らもアクション実行者となり課題解決に取り組みました。
その結果、事業を黒字化するだけではなく、メンバーの信頼を勝ち取ることができたと考えています。」
これがマッチング。
採用担当者の心象に響く職務経験・スキルになり得るのです!
まとめ
今回の記事では、転職活動で超重要な”自己分析”について解説しました。
繰り返しますが、「Want」自分がやりたいことにこだわりすぎると、自分探しの迷宮で彷徨うことになります。
実は、大学時代の私がそのような状態でした。
結局、やりたいことは少なくともサラリーマンではないな。
などと実績もスキルもない状態で強がっていたのです。結果は散々な就職活動でした・・・
繰り返しますが、転職者が価値を提供する相手は企業です。
その企業が求めている「Can」あなたは何ができる?どうやって会社を儲けさせてくれるの?
という問いに答えることができる自己分析を用意するようにしましょう。
この記事が少しでも皆さんの転職活動にお役に立てていれば嬉しいです。
それではまた!