これからは、安定した雇用は期待できない。資格を取得して、少しでも昇進や転職に有利になりたい。でも、どの資格が一番有利になるのかな?
私は、営業ひとすじ!転職で有利になると言っても、資格は必要ないんじゃないかな?メリットはあるのかな?
こんな疑問に実例を交えてお答えします。
簿記1級&米国公認会計士合格、そしてTOEIC800点をきっかけにメーカー営業から二度の転職を経験。
今は、外資系企業でマーケティングマネージャーをしています。
結論 500人のアンケート結果によると、転職に役立った資格1位は“簿記”です。(株式会社ビズヒッツ調査) 理由は、会計知識だけではなく、コミュニケーション能力を向上させたり、新規プロジェクト運営のチャンスを掴むことができるためです。
実際に、私は簿記を取得したことをきっかけに、2度の転職を成功させて年収1,200万を達成しました。
簿記資格が転職成功の大きなポイントであったことは間違いありません。
しかし、単純に資格を保有していたことが評価されたわけではないですね。
簿記・会計知識を通じて、そのほかの能力を向上させ、ビジネス成功の経験を積んだことが転職成功につながりました。
それでは、実例を交えて解説していきたいと思います。
男女500人のアンケート結果 転職で役に立った資格ランキング
転職で役に立った資格1位は、“簿記”です。
株式会社ビズヒッツ(本社:三重県鈴鹿市)が男女500人を対象に行なったアンケートで、そのランキングを公開しています。
https://media.bizhits.co.jp/archives/10656
ランキング | 転職に役に立った資格 | 人数 |
1 | 簿記 | 92 |
2 | 普通自動車免許 | 37 |
3 | TOEIC | 29 |
4 | 看護師・准看護師 | 26 |
5 | フォークリフト免許 | 22 |
6 | マイクロオフィススペシャリスト(MOS) | 19 |
7 | 保育士 | 18 |
8 | 介護福祉士 | 17 |
9 | 実用英語技能検定(英検) | 16 |
10 | 秘書検定 | 15 |
なんと、2位以下に倍以上の差をつけての1位です。
簿記は、経理への転職を狙うなら必須資格ですが、経理以外の幅広い分野で活かすことができることは意外と知られていません。
簿記3級は、簿記・会計の基本中の基本を抑えた試験です。
そのため、転職先の商社でリーダー職への昇進条件となっていました。
いかに、簿記・会計の基本が社会人にとって重要かがわかります。
もちろん、営業職にとっても簿記は重要です。
簿記が転職に役に立つ理由は?
いかに簿記という資格が幅広い業種・職種で必要とされているかが分かりますね。
それではなぜ、簿記なのでしょう?
広く知られている理由が、会計知識が身につくということです。
ポイント
しかし、これらは、一個人の能力にすぎません。
簿記が本当に役立つ理由は、その先にあります。
コミュニケーションを円滑化し、仕事を格段にやりやすくしてくれてる資格が簿記なのです。
一つ一つ見ていきましょう。
そもそも転職面接の基本ができていない方はこちら
ロジカルな説明ができるようになる。
上司や先輩から、「あなたの話はさっぱりわからない!」と言われてショックを受けたことはありませんか?
思い当たる方は以下の記事も参考になると思います。
話の得手不得手もありますが、ロジカルな話になっていないことが理由かもしれません。
転職面接でも、当然ながら面接官に話が伝わらないことは致命的になります。
それでは、ロジカルな話とは、具体的にどんな話し方なのでしょうか?
オススメの話し方の一つが、以下の順番で話すことです。
ロジカルな話し方
結論 →理由 →具体例 →要約
次のように言い直すこともできます。
ロジカルな話し方
結論 →主観的理由(あなたの考え、経験) →客観的理由(データ、数字、等) →まとめ
経験上、ロジカルになっていない話の大半は、具体例や客観的理由、つまり事実が伴っていないことがよくあります。
意見と事実が混同しているケースも同様です。
そして事実が伴っていない話は、よくわからないだけではなく、信頼性に乏しい話になります。
では、会計知識に基づいたデータや数字を客観的理由として示されるとどうでしょう?
グッと、ロジカルで信頼性の高い話に近づくとは思いませんか?
数字は事実を伝えるのに最も優れた手段なのです。
ロジカルな話し方については、別の機会に詳細な記事を書きたいと思いますが、会計知識があなたの話をロジカルにすることは間違いありません。
コミュニケーション力が上がる
会社、そしてこの社会は異なった人たちの集まりです。
1人ではできないことが、多くの人間が集まって協力し合うことで、大きな仕事を成し遂げることができるようになります。
一方、人が集まると衝突が増えてきます。
人はそれぞれ異なります。当然ながら同じ人間は2人といないので、意見の衝突が増えることは致し方がないでしょう。
争い事は情報格差による誤解によって生じると断言する学者もいるほどです。
こうした情報格差、コミュニケーションミスを防ぐ手段の一つが共通の言葉を使うことです。
そして、仕事に置いて最も広く使われている共通の言葉、それが会計・簿記用語なのです。
当たり前のような、こうした基本的なコミュニケーションをとることができる人間が、出世でも転職でも成功します。
実例)
私が20代の頃、社内システムで報告される製造原価が安定しないという問題に直面したことがあります。
毎月、各商品の製造原価が営業に報告されるのですが、いきなり倍になったりすることがあったのです。
データを調査すると、安定しない商品に次のような共通点を発見しました。
- 製造原価に対して製造間接費割合が大きい
- 製造ロットが小さい
- 新しい商品
簿記を学んだことがある方は、すぐに原因を理解することができたのではないでしょうか?
もちろん、共通言語である会計用語を使ってロジカルに説明することができますね。
結果、他部署を巻き込んで対策をとり、成果につなげることができました。
転職活動では、他部署を巻き込んでの成果は、キラーコンテンツになり得ます。
なぜなら、コミュニケーション能力は、転職面接で必ずチェックを受ける項目だからです。
転職を意識してからコミュニケーション能力を鍛えても、改善されるものではありません。
普段の業務において、意識してコミュニケーション能力を鍛えるようにしましょう。
転職活動時に必ず役に立ちます。
新規プロジェクトで役に立つ
会社である程度の経験を積むと、新規事業開発や海外進出などの新規プロジェクト担当になる機会があることでしょう。
社会は常に変化を求められており、既存のビジネス・商圏に止まり続けることは、将来のチャンスを逃し、いずれは市場から退場を迫られることになります。
私の場合、29歳で海外進出の担当に抜擢されました。
まだまだ、営業ひとすじでキャリアを考えていた頃です。
海外進出は、血気盛んな20代営業マンには大きなチャンスです。
早速に市場開拓のためのビジネスプランを考えたのですが、大きな問題に直面しました。
会計用語を全く理解できなかったのです。
売上総利益、営業利益、経常利益、純利益の違いもわからない次第です・・・
当然、将来の数字を描くことすらできません・・
一方、経営からは、将来の売上だけではなく、必要な人・設備・資金、将来のリターン、キャッシュフローまで求めて来ます。
とにかく会計・簿記について勉強するしかありません。
ところが、一旦始めると、自分自身が思い描くビジネスを数字で表すことができるようになりました。
数年後の売上・利益、必要なリソース、そのための資金計画などなど。
結果、経営陣や関係各部署を巻き込んでの海外進出となり、私が転職した後でもそのビジネスは成長を続けています。
実は、以上の実例は、転職面接で必須の質問
“あなたが直面した困難は?どうやって乗り越えたのか?“
“どうして営業でありながら、簿記・会計を勉強したのか?”
に対して答えていた経験談です。
繰り返しになってしまいますが、普段の業務で転職にも生きる成果をあげておくことが重要なのです。
まとめ
転職に役立つ資格、簿記について、役に立つ理由を説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?
資格取得は、それ自体でも転職時に能力を証明することができます。
特に簿記2級以上があれば、基本的な経理能力があるといって良いでしょう。
しかし、経理担当としては、簿記2級の知識は最低限の知識であって、他の採用候補者と差別化を図る決定打にはなり得ません。
そこで重要となってくるポイントは、簿記・会計の知識をどのように現実の仕事に活かしてきたかということです。
簿記の取得は、単純に会計知識を身につけるだけではなく、業務上の様々な場面で役立てることができます。
是非とも、他部署との連携や課題の解決、新しいチャレンジに簿記などの資格を役立てることを意識しましょう。
間違いなく、転職活動時にそれらの経験をアピールできること間違いなしです!
それでは、また。
在宅勤務が増え、満員電車で失われていた時間を有意義に使いたい人たちも増えていると思います。
ついつい、YouTubeをみてしまう時間で簿記の資格を取得してみてはいかがでしょう?