みなさん、こんにちはトシです。
会社で4Pや4Cといった言葉をよく聞くけど、一体どうやって使ったら良いの?具体的な使い方が思い浮かばない・・・
昇進試験の論文やケーススタディで4Pや4Cなどのフレームワークを使って説明したい。
こういった疑問や要望にお応えします。
この記事の内容
◆4C分析、4P分析とは何?
◆なぜ必要なの?
◆4P、4Cの内容
◆まとめ
4C分析、4P分析とは何?
一言で言えば、マーケティング戦略を立てる際に顧客視点と企業視点で検討するべき項目です。
顧客視点で分析する項目が4P、企業視点で分析する項目が4Cです。表にすると、次のようになります。
各項目はビジネス本にもよく載っているのですが、漠然としすぎています。わかりやすく説明していきますね。
なぜ必要なの?
このようなフレームワークを利用することは、以下のような利点があります。
- 戦略を立てる際に、検討するべき項目の抜け漏れを防ぐことができます。つまり理論的に考える事ができます!
- 共通言語を使用することで伝わりやすくなります!社内で新規企画を通す時、昇格試験用論文にも最適です!
- 競合やケーススタディについての理解を助けてくれます。
4P&4Cの内容
Product(製品)⇆ Customer value(顧客への価値)
その業界でのNo.1以外のプレイヤー(つまり弱者)は製品での差別化をはかります。また、この戦略を使うためには、価格弾力性が低い製品(価格に関わらずお客さんが購入してくれる製品)であることが条件となります。
ターゲットとする顧客層によって感じる価値は異なります。
イノベーション理論によると、アーリーアダプター(新しい商品やサービスを比較的早い段階で購入する人々)までは他人とは異なる新しい文化、創造性に価値を感じます。
逆にマジョリティが感じる価値は、安心感、信頼性、価格、です。
つまり、自社が新しい市場を開拓する先駆者(リーダー)なのか、既存の市場を後追いする存在チャレンジャーなのかでも顧客へ提供する価値は変わってくるという事です。
例えば、アーリーアダプター層をターゲットにしてするのであれば、下記にあげる項目でこれまでにない価値を提供しなければなりません。
- Features(特徴)
- Quality(品質)
- Branding(ブランディング)
- Packaging(パッケージ)
- Services(サービス)
- Warranties(保証)(実際には、あまりないかも知れませんね。)
車業界で言えば、Features(特徴)に価値を提供し続けているメーカーは富士重工(SUBARU)が代表です。一貫して四輪駆動(AWD)と水平対向エンジンで差別化路線を突き進み、2019年は過去最高益を更新しましたね。
逆にマジョリティをターゲットしているメーカーはNISSANです。こちらはリーダーであるTOYOTAを追いかけ、フルラインナップで大企業化、消費者に安心感を与えようとしました。ゴーン氏の失脚が発端ではありますが、TOYOTAに勝つことはできず、積み重なった固定費に苦しんでいます。
Price(価格) ⇆ Cost(コスト)
価格戦略には単純な売値だけではなく、
誰に儲けさせるか?卸業者か?小売店か?
ディスカウントやディーラーへのキックバックをどうするか?といったことも含まれます。
しかし、最も大事なことは、高価格にするか?低価格にするか?はターゲットとする顧客によって変化するということです。
イノベーション理論のチャレンジャー(No.1プレイヤーに続く企業)であれば、低価格での差別化をはかる戦略をとることが多いです。顧客もそれを望んでいます。
逆にアーリーアダプターより手前、特にイノベーター(革新者)にあたる人たちは、革新的な製品やサービスをいち早く生活に取り入れ、差別化を図る欲求が強い人たちです。こういった人たちは、価格に興味がありません。
想像してみてください。ルイ・ヴィトンの最新デザインが誰にでも手に入る低価格で販売されていたら、逆に生粋のファンはルイ・ヴィトンから離れていってしまうでしょう。
食品ではどうでしょう?例えば、高級チョコレートで有名なゴディバ、「憧れを身近に」をキャッチフレーズに活動し、ときにはお土産に、ときには自分のごほうびにゴディバを買う方は多いと思います。仮にディバが100円で手に入るとすれば、ゴディバを受けると人も買う人も満足感が半減してしまいます。
お客さんは、プレミアム価格だからこそ、満足感を得ることができるのです!
Place(物流)⇆ Convenience(利便性)
No.1を狙うプレイヤーは物流を充実させて、その豊富なリソース(人、金、もの等の資産)をフル活用します。古典的には、物流と利便性は表裏一体であるとして、直販にするか?代理店を経由しての物流とするか?といった議論がされてきました。
しかし、昨今のインターネット社会では、物流だけでなくシステムも含まれると考えています。
物流とシステムを究極まで高めた企業がAmazonです。Amazonは物流センターとAWS(Amazonのクラウドサービス)で顧客利便性を高め、ナンバー1の地位を確立していますね。
Promotion(プロモーション) ⇆ Communication(コミュニケーション)
ターゲットとする顧客、売り込む製品・サービス、それを支える物流・システムが決まれば、どうやって顧客に自社の製品・サービスの魅力を知ってもらい購入につなげるかを考える必要があります。それが、顧客とのCommunicationの手段であるPromotionですね。
Promotionにはいろいろな手段がありますが、次の3つに分類されます。
1. テレビCMに代表される広告
2. プレスリリースなどの広報(PR)
3.そのほか、LINEやTwitterなどのSMSの利用です。
なかでも代表的な手段が1.テレビCMですね。特に各種ビールや日清カップヌードル等の飲食料品のテレビCMをよく見ると感じるのではないでしょうか?
しかし、どんな業界・製品でもテレビCMを流せば売れるものではありません。例えば、iphoneで有名なAppleがプレスリリースつまり広報を重視していることは有名です。
Appleファンは、毎年3月、9月を楽しみにしています。Appleがこの時期に新製品をプレスリリースするためです。毎年定期的にプレスリリースにより、話題提供することでマスコミや SMSで自然にApple製品の情報が顧客層に広がっていくことを狙っているわけです。
また、テレビCMについては製品特徴よりもリサイクル100%などの企業イメージ中心が流されています。こちらも、コマーシャルというよりも企業イメージを拡散するための広報が目的となっていますね。
ちなみに2019年電通の調べによると、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌のマスコミ四媒体広告費が22.6兆円、一方、インターネット広告費が2.2兆円です。ただし、前者が若干マイナス成長に対してインターネット広告費は6年連続の二桁成長となっています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
敵を知り、己を知れば百戦あやうからず。とは有名な孫子の兵法にありますね。
4P、4Cは、まさに自社と顧客(マーケット)を知るために必要な項目を網羅したフレームワークになります。
自社戦略の提案や昇進試験にも参考になりますので、日頃からこのフレームワークを意識していろいろな製品・サービスについて考えるクセをつけておくと、身につきやすくなります。
また、最終的にマーケティングを成功に導く基礎はリベラルアーツです!毎日、欠かさず向上させる習慣を入れましょう。