皆さん、いつもお金の心配をしていませんか?
一生懸命に働いて、毎日のスーパー特売を探したり、こまめにスイッチを切って電気代を節約しても、月末になると支払いが心配になる始末・・・
ぶっちゃけてしまいましょう。
こまめに節約をしていてもお金から自由になることはできません。
お金を貯めるためには、資本主義の仕組みを学び、お金についての考えを変える必要があるのです。
この記事の内容
- 資本主義の仕組み。労働者では決してお金持ちになれない理由を解説
- サラリーマンでもできる老後資金5,000万円の作り方
- まとめ
現役米国公認会計士USCPAでAICPAのFP会員です。
お金から自由になるリベラルアーツを紹介しています。
【第一回】お金についてのリベラルアーツ お金から自由になる 基礎編1
結論
結論から先に言ってしまいましょう。
解決策は、いますぐに労働者から資本家になることです。
一生懸命に節約するだけでは、お金から自由になることはできません。
それは、労働者は決して裕福になれない事実があるためです。
資本主義の仕組み。労働者では決してお金持ちになれない理由を解説
お金の使い方といえば、まず支出を分類して節約することを思い浮かべるのではないでしょうか?
ただし、この方法で小遣い程度の貯金を作ることは可能ですが、一生お金の心配をすることになります。
それではどうしたらお金の心配から抜け出し、自由になることができるか?
もう一度、結論を言ってしまいます。
労働者から資本家になりましょう。
そんなことは急に無理と思われるかもしれません。しかし、インターネットが発達した現代ではそれが可能なのです。
それでは順を追って説明していきます。
資本主義社会は圧倒的に資本が有利な仕組みになっています。
資本主義の下では、r>gという不等式が絶えず成り立つ不合理な世の中であるとトマ・ピケティ “21世紀の資本”で証明されています。
“r”と”g”とは;
“r” = return on capital 投資利回り(資本収益率)
“g”=economic growth rate 経済成長率(賃金上昇率)
を意味しています。
投資に対する利回りは、投資家が得ることのできるリターン率で平均4%です。
一方、賃金上昇率は、労働賃金の伸び率で平均1.7%になります。
しかも、両方とも複利で計算されますから、指数関数的に差が開いていきます。
持つ者と持たざる者の差は時間と共にどんどん開くということです。
歴史が証明するr>g
ピケティの凄いところは、この数式が成立することを西暦元年からのデータをもとに証明したことです。
20か国の膨大なデータにアクセスして分析した結果、2000年もの間絶えず資本収益率が経済成長を上回っているのです。
r>gによる格差社会
2000年以上、資本からの収益が上回り続けた歴史の結果が上のグラフです。
2010年現在、米国では、富裕層の上位10%が国全体の大体70%もの富を所有しています。
日本はどうでしょう?
“The World Inequality Database”で2010年のデータを確認してみました。
残念ながら資産額のデータを見つけることはできませんでしたが年収データがあります。
上位1%の年収は約1330万円です。
米国はどうでしょうか?
なんと155万ドル(約1億6275万円)です!日本と約13倍もの差があります。
r>gとなる理由
ピケティはその著書で膨大なデータからr>gになることは証明しているのですが、どうしてそうなるかの理由についてはあまり説明していません。
これは独自の解釈ですが、資本主義社会が資本金から稼ぎ出した利益の一部を労働者に配分する構造になっていることが理由と思います。
つまり、資本を増やすために働いている労働者ではなく、資本自体を所有している資本家により多くのリターンが配分されるわけです。
欧米の富裕層は、子供の時からお金について勉強することが当たり前、資本主義社会の真理と金利の力について学んでいます。
そうして蓄えた資本からのリターンで老後も安心して暮らしているわけです。
誰にでもできる老後資金5,000万円の作り方
上位1%のような高年収をすぐに達成することは難しいかもしれません。
でもすぐに行動を起こすことで、誰にでもお金から自由になることができます!
例えば、平均的な新卒サラリーマン年収は240万円ほどですが、20年後には600万円ほどになります。30年後には1,000万円に近づくでしょう。
つまらない会社人生と思う人もいると思いますが、20年間収入の10%を自動で積立て、年利5%で運用すれば、20年で1200万円、30年で3,000万円にすることができます。
そのうちの1,300万円以上は運用益です!
退職金平均が2,000万円ですので、合計で5,000万円の老後資金が手に入るわけです。
この5,000万円を元本として利息や配当金で3%を受け取るとすると150万円が毎年入ってくることになります。
年金と合わせれば十分な金額でしょう。
自動積立資産運用のおすすめ
それでは、具体的にどのように自動積立資産運用を始めるのでしょうか?
証券口座
まずは、インターネット証券の口座を開設しましょう。
間違えても銀行の自動引き落としなどを使ってはいけません。手数料が無茶苦茶高いです。
SBI証券か楽天証券が手数料の安さ、扱い銘柄の豊富で間違いなくおすすめです。
将来的に米国ETF定期買付を開始することを考えれば、国内No.1口座数を誇るSBI証券一択になります。
おすすめ積立方法
積立資産運用には、いくつかの方法がありますが、以下の優先順位で始めると効果が高いです。
- つみたてNISA:年間40万円まで
- iDeCo:年間27.6万円まで(ただし、条件あり)
- 米国ETF買付:NISAとiDeCoに投資をしても資金が余る場合
それでは一つひとつ説明してきます。
つみたてNISA
1人年間40万円まで積み立て運用することができます。
今から始めると40万円x20年間 = 800万円まで投資元本を積み上げることができます。
2037年(政府が2042年に延長予定)までに購入した投資信託については、売却益や分配金が20年間非課税となります。
非常に重要な制度なので、ポイントをまとめると;
国が定めた(安心)一定の要件を満たす投資信託のみ買付
分配金や売却益が非課税
購入できる金額は年間40万円まで
最長20年間で合計800万円が非課税となる
買付方法は定期買付のみ(気が向いたときに購入は不可
iDeCo
イデコと呼びます。個人型確定拠出年金のことで国が創設しました。
最大で毎月23,000円を積立資産運用することができます。
そのメリットは圧倒的な節税効果です!年収650万円の場合で考えてみましょう。
- 年間可能資産運用金額=23,000円/月x12ヶ月 = 276,000円
- 年間控除可能金額 = 276,000円(掛け金全額が所得から控除されます)
- 年間節税効果 = 276,000円 x 30%(所得税20% + 住民税10%) = 82,800円
その他のメリット
- 運用期間中に発生する利益には課税なし
- 一時金の受け取りが1500万円まで課税なし
デメリット
- 運用先は、選び抜かれた投資信託のみ(逆に安心とも言えます。)
- 60歳まで出金不可能。年金ですからね。
- 口座維持手数料がかかる。(楽天やSBIなら無料です。)
積立NISA及びiDeCoのおすすめ投資銘柄
投資信託:三菱UFJ国際-eMAXIS全世界株式(オール・カントリー全世界の株式が投資対象)
僕も自動積立で投資信託を運用しています。株式、債権、不動産リートなど、様々な投資信託を組み立ててポートフォリオを組み立てることを方針としてきました。
しかしながら、コロナ禍により特に不動産業界に逆風が吹いています。
僕が保有している不動産リート投資信託も軒並みマイナス。
一方、株式投資信託は好調を維持しています。
株式投資信託は、プロの投資家が適切に保有株式の組み合わせを調整してくれるので、将来的にも成長が見込まれます。
数多くの銘柄がありますが、おすすめは三菱UFJ国際-eMAXIS全世界株式(オール・カントリー)ですね。
全世界の株式にこれ一つで分散投資することができます。しかも、毎月1万円といった定額買い付けも可能ですので、割安の時は多めに、割高の時は少なめの口数で購入できることも魅力です。
買い付け手数料についても業界最安値が方針です。常に他銘柄の手数料を調査しており、手数料の引き下げを行っています。
米国ETF自動積立
米国市場に上場しているETFを毎月一定額(もしくは一定口数)購入する運用方法です。
残念ながら、このサービスを提供している証券会社はSBI証券のみになります。
ですので、年間で67.6万円(つみたてNISA:40万円+iDeCo:27.6万円)以上運用する予定の人は、SBI証券に口座を開設しておきましょう。
NISAやiDeCoのような税制優遇はありませんが、最安手数料で実績のある運用会社のETFを購入することができます。
おすすめETF
個別で株式を購入する場合は、自分で銘柄選定を行います。また、市場の状況が変化すれば自分で銘柄の入れ替えをしなければなりません。僕は20年以上株式投資をやってきましたが、個別銘柄への投資は時間が必要な上、変動幅も大きいので投資信託とETFに切り替えています。
おすすめは、国際分散投資銘柄です。米国株価指数連動ETFが超人気となっていますが、今後も米国一国集中の経済が続くかはわかりません。儲けは少なくなるかもしれませんが、より価格変動の小さい世界全体に株式投資をする銘柄が良いと判断しています。
バンガード・トータル・ワールド・ストック(VT)
預かり残高トップの大人気銘柄。これ一つで世界中の8,000銘柄 47カ国に国際分散投資することができます。しかもプロの投資家が世界情勢に合わせて銘柄を組み替えてくれます。
長期投資に向く条件の一つは分散投資です。幅広い地域や業界に適切に分散投資されることで、変動幅を小さくすることができ、市場の動きに惑わされることなく資産運用を続けることができるのです。
しかも、経費率は0.08%!業界最低水準の運用コストを目指す投資信託eMAXIS Slim全世界株式(日本除く)の0.104%よりもさらに低いです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
お金がたまらない人の習慣の一つに、貯蓄する前にお金を使ってしまう習慣があります。
どうせ貯蓄しても年に0.1%も金利がつかない世の中。
ぼったくり投資商品にも要注意です。
手数料1%以上の投資信託などはその典型です。購入した瞬間に手数料を搾取され、さらに保有しているだけでも手数料が引かれていく。しかも実績は皆無という商品が山のようにあります。
その点、今回お勧めした投資信託e-MAXIS slimやETFバンガードトータル・ワールド・ストック(VT)は実績のある企業が全世界の優良企業に分散投資するので長期的には間違いなく利益が出ます。
注意して欲しい点は、短期的には株式相場の過熱感が出ているので損が出る期間があるかもしれないという点です。
一方、過去のデータから株式を15年以上分散投資したケースで損は出ていません!
一時的に損失が出たとしても、気長に待ちましょう。
インターネットの普及により積立分散投資を開始して資産家への道を踏み出すことができる世の中になりました。
この記事を読んだ皆さんは、確実にリベラルアーツが高まっています。あとは行動だけです。皆さんもお金の心配から自由になり、もっと大事な家族や大切な人たちについて考える自由を手にしましょう!