CPA試験を始めてみたけれど、思った以上に覚えることが多く先が見えない。 実際に合格した人はどのように勉強したのかな? 仕事が忙しく、勉強する時間が取れない。効率的・効果的に勉強する方法はないかな。
こういった疑問にお答えします。
米国公認会計士協会に合格、転職に成功してから順調にキャリアをアップさせ、今では外資系企業でマーケティングの仕事をしています。
ぼく自身が忙しい営業の身でありながら、子供が生まれたばかりの頃に米国公認会計士の勉強・合格をしたので、いかに試験勉強と仕事、そして家庭を両立するかをいつも悩んでいました。
そこで、忙しい社会人のため効率的に米国公認会計士USCPAを勉強するおすすめの方法を紹介します。
海外で公開されている最新の勉強方法やAICPA米国公認会計士協会の公開情報を参考に、ぼく自身の受験経験を織り交ぜています。
今回は、AUD, BECに続いて三番目に登場するFARです。
同じような悩みを抱えている受験生にとって、少しでも役に立つような情報であれば嬉しいです。
そもそも予備校で悩んでいる方へ
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2022年最新版 米国公認会計士USCPA 資格予備校 ライセンス保持者が徹底比較
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受験する順番
多くの予備校やブロガーがFARを最初に受験することをオススメしていますね。
一方、2020年版Surgentのオススメ受験順番はAUD →BEC →FAR →REGでした。すでに一番目にAUD、二番目にBECを受験するべき理由についてはお伝えしましたね。
【2020年最新】USCPA 試験科目AUDのおすすめ勉強方法 【米国人はみんな知っている】
では、なぜFARが三番目なのでしょう?Surgentはこう答えています。
ポイント リース会計などの個別分野から連結、そして政府会計などもあり幅広く最も時間が必要。
ぼく自身は、FARを一番目に受験しました。
理由は、
といったところです。
また、大学で会計や簿記を勉強した人たちは、忘れないうちにFARを受験するのもありかと思います。
簿記の勉強に興味がある方はこちらをどうぞ
USCPAと簿記1級 本当の難易度比較 & 必要な英語力は?【実録あり】
ぼく自身の考えは、
AUD-FAR-BEC-REG
もしくは
FAR-AUD-BEC-REG
が日本人には適していると思います。
FARやAUDは、英語力を必要とされ、最も勉強時間がかかる上、内容が変更される恐れがあります。
従い、FARやAUDを先に合格し、18ヶ月の有効期限が切れないようにすることは理にかかっていると思います。
もちろん、経理担当者などはREGが最も苦手という人もいますので、REGを最初に受験してもOKですね。
友人や家族にCPA受験をすることを宣言する。
こちらもAUDとBECの記事で書いていますが、無茶苦茶重要なので繰り返します。
あらゆる試験勉強に共通すること、勉強する環境作りが合否のカギです。Surgentでもこの点を紹介していることはさすがと言えるでしょう。
CPA受験勉強は、1年以上に続く長い道のりです。
周囲、特に家族の理解と協力なくしては、受験勉強という自分との戦いに打ち勝つことはできません。
ぼくの場合、ちょうど受験勉強中に娘が生まれましたので、子育てをしながらの受験勉強となりました。
子供が生まれたばかりの家庭、特に母親は休む暇がありません。当然、父親が多くの家事を分担する必要があります。
そこで、奥さんと以下の約束をしました。
5つの約束
- 4時起き、10時就寝
- 4時から6時は家のダイニングテーブルで勉強
- 7時から9時は会社の食堂もしくは近くのマックで勉強
- 10時就寝までは皿洗いなどの家事を手伝う。
- 合格後は年収1,000万円以上を獲得する
特に"5"が無茶苦茶重要です。
この記事を読んでいる皆さんは受験勉強は孤独だと感じているかもしれません。
自分だけが頑張っている!と思う人もいるでしょう。
もしもそういった人がいるのであれば、今すぐに考えを改めることをお勧めします。
受験勉強は決して1人だけの戦いではありません。
周りの家族を見てみましょう。きっと、誰よりもあなたを応援しているはず、そして時間を犠牲にしているはずです。
是非とも家族と一緒に合格というゴールを目指しましょう。そして、家族への感謝の言葉を忘れないようしましょう。
きっと、受験勉強をきっかけに何よりもかけがえのない家族との絆を深めることができるはずですよ。
それでも時間がないという方は
FAR(Financial Accounting and Reporting)試験の概要
FARでも再登場する必須アイテムがAICPA提供のBlueprintを参考に解説します。
最新版は2019年7月1日付、旧バージョンに気をつけてください。
いつもながら、出題形式、出題範囲、難易度とその割合など、受験勉強を始める前に把握しておくべき情報が満載です!
とはいえ、英文33ページ(AUDは32ページ)とそれなりの量ですので、今回も簡単に要約していきますね。
概要
財務会計全般について出題される科目です。以下のような概要になっています。
受験時間:4時間
出題形式:MCQ(選択問題)66問、TBSs(シミュレーション問題)8問
出題形式配点:MCQ 50% : TBSs 50%
Skill levels(スキルレベル)毎の出題範囲
各問題は、CPAとして必要とされる以下のスキルレベルに分類されます。
出題範囲がBlueprintに公開されていますので要チェックです。
Skill Level : Remembering and Understanding (暗記・理解度)
10-20%出題されます。
AICPAによると知識をそのまま回答するような問題がこのレベルです。
Skill Level : Application
最も出題割合が高く、50〜60%にもなります。
仕訳の内容を把握したり、文章から具体的な会計処理・仕分け方法を判断する問題がこのレベルに該当します。
単純に暗記していれば答えられる問題ではなく、文章を理解して判断する能力です。
英語力もある程度必要になってきます。
Skill Level : Analysis
25〜35%の出題割合です。
例えば、
- Reconciling account balances
- Interpreting agreement and detecting financial reporting discrepancies
- Detecting financial reporting discrepancies
などが出題されます。
Area I、II、 III が出題の中心です。特にArea IとIIはこのレベルの出題傾向が高いです。
また、Area IV ”State and Local Governments”からの出題はないのでご安心を。
出題範囲と採点割合
AICPAホームページによると、FARの出題範囲は次のArea I〜IVのとおりです。
財務会計を幅広く網羅した内容となっています。
企業会計だけではなく政府会計まで含まれている点が特徴です。日商簿記と大きく異なりますね。
Area I | Conceptual Framework, Standard-Setting, and Financial Reporting | 25-35% |
Area II | Select Financial Statement Accounts | 30-40% |
Area III | Select Transactions | 20-30% |
Area IV | State and Local Governments | 5-15% |
それでは、一つずつ出題範囲の特徴を見ていきましょう。
Area I Conceptual Framework, Standard-Setting, and Financial Reporting
試験の25-35%は「FASB概念フレームワーク、標準設定プロセス、そしていくつかの“財務報告についてのトピック”」から出題されます。
これらのうち、財務報告についてのトピックについては下記の3トピックが出題されます。(Blueprintより抜粋)
- General-purpose financial statements applicable to for-profit entities, not-for-profit entities and employee benefit plans under the FASB Accounting Standards CodificationFASB ASC(米国会計基準):“営利目的事業体”、“非営利団体”、“従業員給付制度”に適用される一般的な目的の財務諸表
- Disclosures specific to public companies including earnings per share and segment reporting under the FASB Accounting Standards Codification and the interim, annual and periodic filing requirements for U.S. registrants in accordance with the rules of the U.S. SEC: FASB ASC(米国会計基準):“Earnings per share(一株あたり利益)”, セグメント報告、U.S.SECルールにより規制された年次及び定期的な報告要件を含む上場企業特有の開示
- Financial statements prepared under special purpose frameworks as described in AU-C Section 800 of the Codification of Statements on Auditing Standards: 監査基準書 AU-C Section 800に記載された特定目的フレームワークで作成される財務諸表
Skill levelsでは、暗記や理解度スキルだけではなく、応用スキル(Applicable Skill)と分析スキル(Analysis Skill)が多く出題されます。
学習するときは、仕訳を意識しましょう。簿記2級を3ヶ月ほどで合格しておくと仕訳をグッと理解しやすくなります。
Area II Select Financial Statement Accounts
財務会計の各論です。配点割合は30-40%と最も高くなっています。
具体的には下記のような勘定科目についての論点が出題されます。
- Cash and cash equivalents:現金及び現金同等物
- Trade receivables:売掛債権
- Inventory:たな卸資産
- Property, plant and equipment:有形固定資産
- Investments:投資
- Intangible assets – goodwill and other 無形固定資産 のれん等
- Payables and accrued liabilities 買掛金 未払負債
- Long-term debt(financial liabilities) 長期借入金(財務負債)
- Equity 資本金
- Revenue recognition 収益認識
- Compensation and benefits 処遇・報酬
- Income taxes 所得税
Area III : Select transactions
同じく財務会計の各論で配点割合は20−30%です。下記のような特定の取引に関して出題されます。IIが勘定科目毎の出題であるのに対して、IIIはリース会計やデリバティブ会計などの様々な取引をどのようにして財務会計上処理するかが出題されます。
- Accounting changes and error corrections:会計上の変更、誤謬の修正
- Business combinations:企業結合
- Contingencies and commitments:偶発債務と契約義務
- Derivatives and hedge accounting(swaps, options, forwards):デリバティブとヘッジ会計(スワップ、オプション、先物取引)
- Foreign currency transactions and translation:為替換算勘定と調整
- Leases:リース会計
- Nonreciprocal transfers:非相互移転
- Research and development costs:研究開発コスト
- Software costs:ソフトウェアコスト
- Subsequent events:後発事象
- Fair value measurements:公正価値測定
- Differences between IFRS and U.S.GAAP:IFRSとU.S.GAAPの違い
Area IV IT State and Local Government
いわゆる政府会計についての出題です。配点割合は5〜15%と最も低いです。
低い配点割合ではありますが、15%程度を配点される可能性もありますので、捨てることは得策ではありません。
範囲は、下記のように広く浅く出題されます。
- A State and local government concepts
- B Format and content of the financial section of comprehensive annual financial report(CAFR)
- C Deriving government-wide financial statements and reconciliation requirements
- D Typical items and specific types of transactions and events: measurement, valuation, calculation and presentation in governmental entity financial statements
Test Level “Remembering and Understanding” 要するに暗記モノの出題割合が高いことも特徴です。
出題形式毎の対策
まずはMCQ(選択問題)
出題数は72問、配点は50%です。
膨大な量なので長い道のりに感じますが、手順を踏まえて勉強すれば着実に力をつけることができます。
Wileyの問題集も購入して練習しましたが、出題頻度が低い問題も多くおすすめしません。
CPA専門予備校の問題を中心に練習しましょう。
問題演習はスピードと回数
苦手な問題は不思議と最後まで覚えにくい傾向があります。
毎回のMCQ問題演習時には、必ず正解・誤りをチェックしましょう。
頻繁に間違える問題が絞られてくるはずです。
仕上げ
3ヶ月も勉強すると、全体の8割ほどはできるようになるはずです。
ここからは苦手分野中心に勉強します。
MCQで頻繁に間違える出題範囲については、資格予備校のテキストを音読するとともに簿記テキストも使って勉強しました。
多様かつ量も多い教科です。うっかり忘れてしまうことがないよう、MCカードを2時間以内ですべて解く練習を繰り返しておきましょう。
Simulations対策
配点は50%あります。
多くの受験生がMCQ対策に時間をかけて、Simulations問題対策を後回しにしていますが、全くお勧めしません!
何事もゴールを見据えることから始まります。
MCQと同時進行でSimulation対策を開始しましょう。
理由は3つあります。
- ゴールである合格レベルの英語力、理解度を図ることができます。
- 実務に近いので、繰り返し練習することで理解度が上がる。
- 連結問題の練習ができる。
特に連結については問題自体の量が相当量になります。
事前によく練習して当日の試験問題に圧倒されないようにおきましょう。
模擬試験
試験時間は1科目4時間と長丁場です。
しかも、所々に採点されない問題や難問もあり、精神状態を安定させることも大事になります。
以下に代表的な模擬試験のリンクを貼っておいたので、参考にしてみてください。
特にAICPAは本物そっくりな上、クリックするたびに異なる問題が出題され超おすすめです!
AICPAサンプル問題 CPA Exam Sample Tests & Tutorial
CPAサンプル問題をまとめたページです。