サラリーマン、とりわけ商社マンは、ロジカルでなければ生きていけません。
上長、経営陣へ定期報告をするとき、投資・融資案件を申請するとき、あらゆる場面で徹底的にロジカルであることを求められます。
会社はわかってくれない・・・などと愚痴をこぼす若手社員は、早々に消え去る。
やりたいことがあれば、わかるように伝える。
それが社会人です。
外資系でマーケティングを担当している米国公認会計士です。
元総合商社の事業部でサラリーマンとしてのロジカルを徹底的に鍛えられてきました。
米国公認会計士って何?という方はこちら⏬
【現職USCPAが解説】米国公認会計士(USCPA)ライセンス取得 難易度・試験概要・受験資格
今回の記事では、私がロジカルを鍛えるために読んだおすすめの本をご紹介します。
ロジカルシンキングは、誰でも鍛えることができます。
ただ、最初は、マンガでも良いので、読みやすい本から始めてみましょう。
ロジカルとはそもそもどういうことなのか?どんないいことがあるのか?ということから理解することができます。
その上で、実践編を学び、よりしっかりと学びたいという人は、論点思考や仮説思考といった視点を変えた本を読むと良いですよ。
この記事の内容
初級編 社会人の基礎を学ぶ
初学者にオススメの本は、下記のような条件が揃っている本です。
これらを全て備えている書籍をいくつか選ぼうと考えていたのですが、結果、以下の書籍1択となってしまいました。
この本に書かれていることだけでも実践できれば、すぐにでも仕事の質・効率が劇的に上がること間違い無いでしょう。
時間がない方は、これだけでも十分オススメですよ。
マンガでわかる 必ず伝わる!ロジカル会話術
マンガと思って侮るなかれ。
社会人としての心構え、充実した日々を送るための基本動作が詰まった本です。
構成は、ファミレスチェーン店の本社 営業部勤務、入社5年目の“三上さつき”がお荷物店舗を立て直すストーリー漫画になっています。
立て直すことができなければ閉店という崖っぷち、次々におこるトラブルを父親直伝の「ロジカル会話術」で解決していきます。
内容については、「ロジカル・シンキングの基本」と「伝え方」の両輪になっています。
ロジカル・シンキング:
「演繹法」と「帰納法」、「MECE」、「PREP法」など、ロジカルについて理解するために基本となる考え方をマンガでわかりやすく紹介しています。
MECEって何?という方はこちら⏬
ロジカル入門編 数字に強くなるMECE(ミーシー)とは? 実用例で解説
伝え方:
いくら理論的に説明しても相手に伝わり、動いてもらわなければ意味がありません。
そこで、本書には、「大工の言葉?」、「抽象のはしご」、「聞き上手は相づち上手」、「論理+感情=納得」など、まさに、社会人として身につけるべき術が盛り沢山で紹介されています。
自分の考えをロジカルに組み立て、相手に伝え、納得してもらい、動いてもらう。
この最も重要なポイントを店舗の再建というストーリーを通して学ぶことができます。
それでも上司から、お前の言っているこはよくわからん!と言われて悩んでいる方はこちら⏬
言い方を変えるだけでも劇的に変わるこkと
中級編 ロジカルを実践する
ロジカル・ライティング 論理的にわかりやすく・・・
ベストセラー「ロジカル・シンキング」の著者照屋華子さんによる続編です。
論理的な思考と構成のスキルである「MECE」と「So What?/Why So?」を使って、論理的でわかりやすい文書を書くための技法を紹介しています。
あらゆるコミュニケーションにおいて、“書いて伝える”ことは非常に重要です。
日常の業務でも、伝わらない文書が飛び交っているために、どれだけ無駄な時間を費やしていることか・・・。
忙しい、忙しいと連呼している人ほど、わかりにくい文章で周囲の時間までも奪っているので厄介です。
この本は、そのような非効率的な組織に陥らないために、あらゆる人たちにオススメの一冊。
内容は実にシンプル。
全ての文書(報告、提案、依頼、など)は5つの基本要素(「伝え手(書き手)」「相手(読み手)」「テーマ」「答え」「期待する反応」で整理できると説き、それぞれの要素について解説しています。
詳細については、ネタバレになるので、是非とも書籍を手に取って確かめてください。
全ビジネスマン必読、日本企業の生産性を劇的に上げてくれるでしょう。
ロジカル・シンキング練習帳―論理的な考え方と書き方の基本を学ぶ51問
ロジカル・シンキング、ロジカル・ライティングとくれば、こちらもぜひオススメしたい一冊です。
著者 照屋華子さんは、
東京大学卒業後、伊勢丹広報担当を経て、マッキンゼーでコンサルティング・レポート等の論理構成・日本語表現についてのアドバイスをしたり、コンサルタントやクライアントに対してロジカル・コミュニケーションのトレーニング・企画を行ってきた方です。
世界トップクラスのコンサルタントに対してロジカルのトレーニングを行うとは、凄すぎます。
内容は、“わかりやすく論理的”に、“早く”、“感じの良い“メッセージを伝えることで、仕事が前進すると説き、「基本の型」を身につけるための練習帳となっています。
この「基本の型」を作るためには4つの技術が必要です。
しかも練習は、訓練することで誰でも身につけることができます。
- 準備:伝える前の準備の技術
- 構成:思考を整理・構成する技術
- 視覚化:構成を視覚化して表現する技術
- 日本語表現:日本語表現を好感度も含めて整える技術
もうお気づきかもしれませんね。
この4つの技術は、
「ロジカル・シンキング」①と②
「ロジカル・ライティング」③と④
に分類されています。
つまり、この二つの基礎技術をバランスよくもち、ロジカル・コミュニケーションにつなげること。
それがこの著書の目的であり、構成になっています。
上級編 視点を変える
ロジカル・シンキング、ライティング、コミュニケーションと紹介してきましたが、ロジカルな思考だけでは、人を動かすことはできません。
徹底的に課題を分析して、ロジカルに説明したのになぜか相手を動かすことができない・・・
そんな経験はありませんか?
私も何度もそのような場面にあいました。
振り返ると、以下の2点のいずれかに当てはまっていたと思います。
注意ポイント 1そもそも解くべき問題、つまり論点がズレていた。 2相手の感情を無視していたのではないか?
これから紹介する本は、そのような間違いに気がつかせてくれたオススメの2冊です。
著者は、いずれも内田和成氏。
ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)日本代表を務め、「世界で最も有力なコンサルタントのトップ25人」に選出された方です。
それでは行ってみましょう。
論点思考 B C G流問題設定の技術
ロジカルに説明しているのに伝わらない理由の一つに、そもそも解くべき問題が間違えているというケースがあります。
ボストンコンサルティングでは、この「解くべき問題」を「論点」と呼んでいます。
そして、「解くべき問題」を定義するプロセスが重要なのです。
類似著書で「イシューからはじめよ Issue Driven」がありますね。
共通点は、「解くべき問題」を正しく設定して、集中して解決することこそ、すばやい問題解決、そして生産性の向上につながるということです。
ロジカル・シンキングで行き詰ったときには、「そもそも」の「解くべき問題」が間違っていないか、この本に沿って立ち返ってみてはいかがでしょう?
右脳思考 ロジカルシンキングの限界を超える観・感・勘のススメ
この本の前提は、ズバリ“人はロジックで動かない、感情で動く”です。
ロジカル・シンキングを否定するようですが、そうではありません。
ポイントは、以下の3つから右脳の活用を紹介しています。
左脳と右脳には使う順番と場所がある
左脳と右脳の間ではキャッチボールが必要
ビジネスで役に立つ右脳をどう鍛えるか
左脳とは、ロジカルシンキングのことです。
繰り返しますが、人は感情で動く生き物です。
ロジックだけではなく、感情や勘、つまり右脳を働かせることで、相手を動かし仕事を効率的にすすめて成果を上げることができると言うことです。
まさにロジカルシンキングの先にある思考術。
完璧な理論なのに提案が通らない、採用にならないと悩む前に手に取って読んでみましょう。
まとめ
全てのことに当てはまることですが、まずは、簡単な本で全体を理解することからはじましょう。
「マンガでわかる必ず伝わる ロジカル会話術」は、最初に読む本としてまさにうってつけです。
楽しみながら読み進めることができる上、ロジカル・シンキングと伝える術の両方を学ぶことができます。
その上で、面白そうだな、役に立ちそうだなと思ったら、
「ロジカル・ライティング」や「ロジカル・シンキング練習帳」を読んでみると良いでしょう。
これらの著者照屋華子さんのベストセラー「ロジカル・シンキング」は、前職の総合商社でも推薦図書になっていました。
商社マンは読書家であるべき 総合商社の経営者が進める推薦図書10選
商社への転職を考えている方々にもオススメです。
あなたと周囲を変えるためにぜひ心掛けて欲しいことが、実践することです。
結局、人生を変えるためには実行しかありません。本を読んだだけでは、残念ながら周囲の協力は得られないのです。
当然、キャリアも年収も・・・
また、何も変わらない、期待していた反応ではなかった・・という場合でも落ち込む必要はありません。
やり方を変えて、実践してみれば良いのです。
その繰り返しが、キャリアアップへと繋がります!