投資信託を初めてみたけれど、思ったように利益が上がっていない。本当に資産形成に役立つのかな?
どの投資信託を選択したら良いのかわからない。実際に利益が出ている人の話を聞いてみたい。
こんな疑問にお答えします。
外資系に務める米国公認会計士USCPAです。株式投資を含めると20年以上投資経験があります。
今回は、僕が実際にNISAで10年間運用している投資信託にポイントを絞って説明します。
結論
いきなり結論です。投資信託は間違いなく資産形成の必須アイテムです。
最強投資信託は株式インデックスファンド、最弱は毎月決算型リートでした。
この記事の内容
- 10年間運用した投資信託トータルリターンを公開
- 10年間定期購入してきた投資信託 利益率ランキング
- ワーストランキング
- 長期資産形成におすすめは?
- NISAとつみたてNISA
- まとめ
皆さんは投資信託を決めるとき、証券会社のランキングなどを参考にしていませんか?
S B I証券でトランキングをチェックしてみましょう。
分配金利回りや売れ筋もありますが、トータルリターンランキングが重要です。
6ヶ月、1年間、3年間と期間を分けて確認することができます。
1年トータルリターンランキング(2020年10月10日時点です)
1位 104.38% 大和―iFreeNEXT FANG+インデックス
2位 95.34% 大和―iFreeレバレッジ NASDAQ100
3位 91.01% 三菱U F J国際―ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド
3年間トータルリターンランキング
1位 32.3% One - 企業価値小型成長株ファンド
2位 30.88% One-厳選ジャパン
3位 28.53% 日興-グローバル・フィンテック株式ファンド
一方、投資の神様と言われている世界一の投資家ウォーレンバフェットの運用利回りは年間約20%と言われています。
投資信託はプロの投資家が運営してはいますが、投資の神様よりも高い利回りを長期にわたって継続することは無理そうですよね?
従い、1-3年間に年率20%を超えるような運用利回りが出たとしても今後も続くとは限らなそうです。
この記事を読んでいる方のほとんどは、長期的に投資信託を運用して老後に備えたいという人がほとんどかと思います。
せめて10年間のトータルリターン(配当、手数料等含む)は確認したいところではないでしょうか?
そこで、ぼく自身の10年間トータルリターンのベストランキングとワーストランキングを開示することにしました。
ワーストランキングを公開って?と思うもしれません。しかし、この記事を読んでいるみなさんには同じ選択ミスをして欲しくはないのです。
ぜひ、参考にしていただけると嬉しいです。
10年間投資運用した信託トータルリターンを公開
10年間で約620万円を累計で買い付けて、約53万円のトータルリターンとなっています。
利益率で8.55%となっています。
我ながら分散投資をしたこととコロナの影響で利益を下げましたが、実際に運用したことで非常に勉強になったと感じています。
10年間定期購入してきた投資信託利益率ランキング
株式インデックス型 グローバルがランキング上位になる結果に!
三井住友TAM-SMT グローバル株式インデックス・オープン 23.75%
三井住友TAM-SMT アジア新興国株式インデックス・オープン 21.59%
三井住友TAM-SMT 日経225インデックス・オープン 20.20%
ニッセイ外国株式インデックスファンド 19.03%
三井住友TAM-外国債権インデックスe 7.51%
三井住友TAM - SBI資産設計オープン(資産成長型)6.60%
ワーストランキング
毎月決算型投信がワーストランキングの中心になりました。
そのほかは債券ファンド、U Sリート、バランス型(資産設計オープン)です。
- ワースト1位:三菱UFJ国際 – ワールド・リート・オープン(毎月決算型)-13.34%
- ワースト2位:SOMPO – 高配当グローバルREITプレミアム・ファンド通貨セレクトコース - 9.21%
- ワースト3位:三井住友TAM – SMT 国内債券インデックス・オープン +0.72%
- ワースト4位:インベスコ オーストラリア債券ファンド(毎月決算型)+3.88%
- ワースト5位:フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)+4.13%
長期間資産形成にオススメは?
10年間のトータルリターンでは株式インデックス投信が軒並みランクインしました。
投資を開始したタイミングも関係あるかと思いますが、国際株式、新興国株式、日本国株式ともに約20%と変わりありません。
ええっ?10年で20%って証券会社が公開している利益率よりも低いじゃないか?10年で3倍にはなっているよね?と思う方もいると思います。
理由はNISA利用なので毎月少しずつ積み立てたためと、収入が増えるに従って積立金額を増やす運用をしたためです。
結果として、基準価格上昇に従って買付金額を上昇させてしまいました(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
一括購入したケースと比較してどうしても利益率は下がる結果になります。
今後10年後の利回りは?
先ほど投資の神様の利回りが年率20%と言いました。では、株式相場全体ではどうでしょう?
実は1970年からダウ工業平均とS&Pは年率7%で成長しています!10年で運用で平均2倍になる計算です。
ここで気をつけて欲しいことは、これらの年率は税引き前なのでNISAを活用しなければ10年で2倍にはなりません。
ぜひN I S Aを使うようにしましょう。
なぜ三井住友?
約10年前は三井住友とeMAXISで手数料にそれほど違いがありませんでした。
そのため三井住友を選択しましたが、これからはeMAXIS全世界株式インデックス一本にする計画です。
理由は簡単、株式インデックスが最強であること。今後も米国の一国集中が続くかはわからないためです。
その点、この投資信託を使えば全世界2,671名柄に分散投資をすることが可能です。
また、eMAXIS slimは絶えず業界最安値の手数料にすることを方針としています。現在の手数料は0.114%です。
これは620万円を運用した場合で7068円、そこそこリーズナブルと言って良いのではないでしょうか。
人気の毎月分配型リートは利益率が悪いか?
このタイプの投資信託の多くは販売開始時に基準価格10,000円ですが、軒並み5,000円以下に下が利ます。
10年前から積み立ててきたこれらの投資信託のトータルリターンもマイナス、ワーストランキングに入っています。
実は2020年1月まではプラスで推移していました。それがコロナ禍の影響をまともに受けて基準価格が下落することに・・。
今後、在宅ワークの普及でオフィス需要が減る見込みです。果たしてリート市況が上向くのかは非常に疑問ですね。
また、信託報酬が高いこともデメリットです。インデックス型は年間0.1%程度なのに対して1.5%以上かかります。
NISAとつみたてNISA
最後にN I S AとつみたてN I S Aの比較をしておきます。
どちらかが優れているというよりも、運用する人の状況や考え方によって選択が変わってくるかと思います。
種類 | 積立NISA | NISA |
対象年齢 | 20歳以上 | 20歳以上 |
最大期間 | 20年 | 5年 |
ロールオーバー | 不可 | 可能 |
年間非課税枠 | 40万円 | 120万円 |
最大非課税枠 | 800万円 | 600万円 |
節税メリット | 運用で得た利益は非課税 ただし損金は他の利益と合算できない | 運用で得た利益は非課税 ただし損金は他の利益と合算できない |
投資対象 | 国が定めた条件に一致した投資信託のみ | 国内外の株式・ETF(リート含む)投資信託、など |
投資タイミング | 毎月一定額 | 好きなタイミングで購入可能 |
出金タイミング | 自由 | 自由 |
まとめ
投資信託は株式インデックスファンドを選択して長期保有すれば、非常に高い確率で資産形成に大きく役に立ちます。
毎月分配型やリート、通貨選択型などぼったくり商品もありますが、僕と同じ間違いを犯さないようにしましょう。
資産利回りが絶えず経済成長をうわまることは歴史も証明しています。
【第二回】お金についてのリベラルアーツ 貯金だけではお金は増えない?
口座は間違いなくNISAもしくは積立NISAがおすすめです。将来的に資産運用からの利益に対して税率が高くなる可能性もあり、年間非課税枠までは活用するようにしましょう。
皆さんの資産形成に少しでもお役に立てていれば嬉しいです。それではまた。