米国公認会計士USCPAライセンス取得の難易度っていったいどれくらい?英語力はどれくらい必要? 日本公認会計士や日商簿記1級よりも勉強時間が少なく難易度も低いって本当?
こういった疑問を持っている方にお答えします。
現役の米国公認会計士USCPAで日商簿記1級、外資系でマーケティングを担当しています。
それでは、いつものように結論からです。
結論
米国公認会計士資格は年収アップとキャリアップを狙うことができる国際的資格の一つ、難易度と費用を考えると投資効果はかなり高いです!
英語については、TOEICが600以上あれば理解可能(もちろん、実務上はより高い英語力が必要です。)
米国公認会計士USCPA試験問題自体は、日商簿記1級よりも勉強しやすい。
投資効果を考えると、日本公認会計士と比較してお得な資格。
ただし、受験条件、ライセンス取得条件、出題範囲には注意が必要です。
それでは、行ってみましょう。
以下のような記事内容となっています。
合格に必要な英語力
結論から言えば、TOEICスコア600点あれば十分です。
実際に私がUSCPAに合格したときのスコアがまさに600点でした💦
日常会話程度しかできず、特にリスニングが苦手でなかなか点数を伸ばすことができずにいた頃です。
TOEICスコアを一夜漬けで伸ばす方法はこちら⬇️
しかし、USCPA合格にリスニングは必要なく、会計用語を効率的に覚えれば十分です。
リスニングについては、実際に業務で必要になった時に鍛えました。まずは、試験に合格することがスタートラインです。
一方、リーディグ&ライティングはビジネスレベルの英語力が必要です。
USCPA米国公認会計士としてクライアントのビジネスを理解し、レター等作成する最低限の英語能力が試されます。
日本語で勉強可能
なぜ、TOEIC600点でも合格できるのか?
実は、米国公認会計士USCPAは日本語で勉強可能。資格予備校が日本語で勉強するプログラムを提供しているためです。
各予備校を調べたい方はこちら⏬
参考2022年最新版 米国公認会計士USCPA 資格予備校 ライセンス保持者が徹底比較
米国公認会計士 USCPAライセンスを取得したいけれど、やっぱり予備校行かなきゃだめかな? 予備校に行くとすればどの予備校がおすすめ?どうやって選べばいい? こんな疑問に現役の米国公認会計士USCPA ...
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ちなみに、私が選択した予備校は最大手のアビタス。合格者数日本国内No.1の実績です。
大まかな勉強方法は、
- 講義内容とテキストを日本語で理解
- 英文問題を実践
- 回答は日本語で
問題と回答を日本語で理解した後は、徹底的に問題を繰り返すことで合格しました。
難点は、長文読解が必要なシミュレーション問題ですが、出題パターンは決まっています。頻出問題を暗記するほど繰り返し音読することでクリア可能です。
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USCPAを目指すならアビタス。
とりあえず日本語テキストのサンプルを見ることができますよ。
日商簿記1級&2級との比較
そもそもですが、日商簿記と米国公認会計士では、対象とする出題の範囲・目標とするキャリアが異なります。
日商簿記試験の出題範囲は、各勘定科目、仕訳、決算、連結、原価計算、などとなり、受験者のキャリアは企業の経理担当がメインです。
一方、米国公認会計士試験では、細かい簿記論は出題されない代わりに非常に幅広い分野が出題されます。
経営、経済、管理会計論や監査、証明業務、内部統制、税制やビジネス論など、会計の範囲にとどまりません。
合格者のキャリアについても監査法人だけではなく様々。
米国公認会計士のキャリアつについてはこちら⬇️
【実録あり】米国公認会計士USCPAが監査法人転職は間違い?30代以降の会計未経験者はこの職種を狙え!
日商簿記は経理のプロを目指す資格、米国公認会計士はより幅広い職種を目指すことができる経営者や一般のビジネスマンにもおすすめの資格と言っていいでしょう。
しかし、試験問題自体については、日商簿記1級の方が数倍難しいです。
合格率からその差を見てみます。
- 日商簿記1級合格率: 8.5%(152回19年6月9日), 9.0%(150回18年11月18日)
- 日商簿記2球合格率: 25.4%(152回), 12.7%(150回)
- USCPA合格率:日本人の合格率 4科目平均32.8%(2014年)
科目 | FAR | BEC | REG | UD |
合格率 | 38.4% | 28.1% | 36.4% | 28.6% |
USCPAについては、合格率から考えると試験問題自体はそれほど難しくはないように見えます。
ただし、出題範囲が広く英語なので、多くの日本人は受験するレベルに達することがまず壁となります。
USCPAの勉強を開始して、途中で挫折することなく全4科目合格できる人間の割合は1割程度と言われているのです・・・・
そうなると、全受験者のうち合格する割合は簿記1級と大差ありません。
つまり、日商簿記1級は簿記・会計を深く理解している必要があるため試験自体が難解です。
一方、USCPAは試験自体が難解ではない代わりに非常に幅広い出題範囲が出題されます。
英語で勉強する必要があり、日本人にとっては合格レベルまで継続して勉強する忍耐力が試されるといえます。
ご参考)日商簿記2級がUSCPA試験対策にもおすすめな理由
USCPA試験科目の一つBECは原価計算や管理会計の知識を問う問題が数多く出題されます。
こちらの内容は簿記2級と重複する内容が多いので、簿記2級との同時受験することでBECについての理解が早まり、おすすめです。
念のため、私が簿記2級合格時に利用した教材の最新版を紹介いたします。
目標勉強期間は3か月、3か月での合格をめざしましょう!
もちろん、独学です。
資格予備校では、簿記の基本から学習するプログラムを提供しているので、全くの会計素人でも合格を目指すことができます。
僕も、そもそも財務諸表とは何か?から学習を始めました。きっと、皆さんにもできますよ。
受験資格、ライセンス取得条件
日商簿記試験に受験資格はありませんが、USCPAは米国の各州それぞれに異なった受験資格とライセンス取得条件があります。
実は、これらの条件を満たす難易度が非常に高いことがこの資格の特徴です。
私の場合は、受験条件が緩いデラウェア州で受験して全科目に合格、合格実績をライセンス取得条件が緩いワシントン州に移転してワシントン州のUSCPAライセンスを取得しています。
以下にデラウェア州とワシントン州の受験資格とライセンス取得条件を紹介しておきます。
より詳しく知りたい方は⏬
【現職USCPAが解説】米国公認会計士(USCPA)ライセンス取得 難易度・試験概要・受験資格
デラウェア州
受験を満たすための単位数が少ないため、大学をぎりぎりで卒業した人におすすめ。
会計単位を取得していない方もご安心を。資格予備校を使えば、家にいながら必要な会計単位を取得することができます。
受験条件
- 4年生大学の学位
- 総取得単位数120単位
- 会計24単位、以下の3教科を含むこと
- Financial Accounting
- Auditing
- Taxation
【備考】
通信制大学で取得した単位は認められません。
ただし、アビタスが提供するカリフォルニア州立大学の単位は認められます。
ワシントン州
他州の合格実績をワシントン州に移管してライセンスを取得することが可能です。
監査以外でもライセンス取得の実務経験と認められるうえ、直接の上司以外のUSCPAライセンスホルダーでも有効な実務経験証明書を発行できます。
受験条件
- 4年生大学の学位
- 総取得単位数150
- 会計24単位(ただし、最低15単位はUpper Divisionの単位)
- ビジネス24単位
ライセンス取得要件
- 1年2,000時間以上の実務経験
- 会計業務(経理、財務、税務など)であれば、監査法人や会計事務所以外の一般企業でも実務経験として認められます。
- 直属の上司以外(社外もOK)のUSCPAライセンスホルダーによる実務経験証明が認められています。
- 他州での合格実績をワシントン州に移してライセンス申請することができます。
ちなみにアビタスでは、USCPAライセンスホルダーとして実務証明をするサービスを提供しています。私も利用しました。
そのほか、必要単位数が少なくて済むニューヨーク州やモンタナ州もおすすめです。
詳細は、アビタスやTACなどの米国公認会計士受験予備校の情報を利用しておきましょう。
以下のリンクから無料で資料請求できます⏬
簿記1級と米国公認会計士USCPA 年収比較
「賃金構造基本統計調査令和元年」によると40代の平均年収は、男性450.3万円、女性324.12万円です。この全国平均と比較して、両資格の年収はどれくらいなのでしょう?
日商簿記1級の年収
会計士、弁護士など士業向け転職エージェントMS-Agentによると、日商簿記1級を取得により大手企業での経理職キャリアが開けます。
肝心の年収はというと
40歳平均 590万円(平成29年度民間給与実態調査)
全国平均と比較すれば、そこそこ高いですね。
米国公認会計士USCPAの年収
この資格の年収は、職場、キャリアによってかなり異なります。
大手転職エージェントen worldによると以下のようになっています。
監査法人
平均500〜600万円
シニアクラスで800万円超えもあるようです。
コンサル
平均500〜700万円
コンサルは資格だけではなく、経験といかに成果を出せるかが年収を左右します。
この業界で成功すれば、1,000万円どころか2,000万円超えもありえます。
外資系企業
平均400〜600万円
マネージャーと一般社員の給与差が大きいことが特徴です。
マネージャーとなれば1,000万円大台に乗ります。
一般企業
初年度で300万円
シニアクラスで700万円
マネージャークラスで900万円
一般企業全体での平均ですので、大手企業だけであれば、マネジャークラスは1,000万円超えでしょう。
ちなみに、私の年収は40歳で1,200万円。
両方の資格を取得していましたが、人事は米国公認会計士 USCPA資格を評価してくれていたようです。
理由は、事業投資、経営に携わる人材を求める会社だったため。また、大手上場企業だったこともこの年収の大きな理由です。
最も重要なことは、単に資格を持っているだけでは高年収を期待できないということ。
どのように資格を使って企業に貢献しキャリアアップを目指しているかを面接等で語ることが重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
理系大学卒業のメーカー営業マンだった僕は、会計も英語も手付かずな状態から約1年半かけてUSCPA米国公認会計士試験に合格しました。
その後、会計の面白さに気がつき、簿記1級まで取得しています。どちらが難しかったと言えば、圧倒的に簿記1級です。
勉強を始めた頃、日商簿記1級は日本語なのに問題文を理解できないほどでした・・・。
それに比較すれば、USCPA米国公認会計士の試験問題は非常にパターン化しているので時間をかければ努力が必ず報われる試験です。
まさに投資効果抜群の資格ですが、簿記1級とどちらがお得でしょう?費用と効果(年収)を表にしてみました。
取得までの費用 | 取得までの期間 | 年収 | |
簿記一級 | 数千円(独学)〜20万円(予備校) | 1〜2年間(約500時間) | 600〜1,000万円 |
USCPA | 約100万円 | 2〜3年間(約1,000時間 | 400〜上限なし? |
簿記1級で大手企業の経理マネジャーを目指すことも魅力的ですが、もしあなたが営業など経理以外の職種で活躍されているのであれば、USCPA取得でより可能性を広げる選択肢もありではないでしょうか?
帰国子女のような英語力もリスニング必要なし、普通の大学を合格するレベルがあれば十分です。
この記事が、皆さんのキャリア選択に少しでもお役に立てていればうれしいです。それでは。