最近、毎月分配型投資信託が多くの投資家に人気が出ているそうです。
確かにこの低金利時代に毎月分配金がもらえるという金融商品は魅力的で、その昔、私も思わず買ってしまったことがあります。
ただ、本当に毎月分配型はベストな選択なのでしょうか?
毎月お小遣いがもらえそうな響きですが、他の金融商品同様に毎月分配型にもリスクや落とし穴が存在します。
この記事では、毎月分配型投資信託を取り巻くリスクとそれに対する戦略を解説します。
心地よいひびきに惑わされることなく、しっかりと知識を身につけて自分の資産を守りながら増やしていきましょう。
分配金の源泉:理解と誤解
分配金の実態
分配金は、基本的には投資信託の運用成果によるものですが、場合によっては元本の一部が分配されることもあります。これは、「タコ足分配」とも呼ばれ、長期的な資産価値の低下につながる可能性があります。
「分配金が多い方がいいに決まってる!」そんな風に思っているあなた、ちょっと待ってください。
実はその裏には知っておくべき大切なことがあるんです。
投資信託の分配金、その実態は?
ざっくりとですが、投資信託の分配金には大きく分けて2種類あります。ひとつは、運用で得た収益の範囲内で分配される健全な分配金です。これは運用の成果が反映された正真正銘の収益。もう一つは特別分配金があります。こちらは大いに注意が必要です。
1. 分配金:運用の成果に基づく正当な報酬
これは運用の成果の範囲内で分配される分配金です。
運用がうまくいって利益が出た場合に、その利益から投資家に分配されます。これなら安心ですよね。利益が出ているのだから。
2. 特別分配金:要注意!運用成果を超える分配
こちらは、分配する金額ありきで、運用の成果を超えて分配されるタイプです。つまり、運用で得た利益以上に分配金を出すため、場合によっては元本を崩してしまうことも。計画が立てやすいというメリットはありますが、長期的には資産価値を減少させるリスクもあります。
分配金を出している??むしろ慎重に選択すべし!
毎月の分配金に目がくらむ前に、一度深呼吸。
そして、その投資信託がどのタイプの分配金を使っているのか、しっかりと確認しましょう。
高い分配金を出している投資信託ほど、リスクが高い資産に投資している可能性が高い。
分配金以上に基準価格が下落していたら元も子もないでしょう。
こんな投資信託ありませんか?
分配金:1,800円
基準価格:9,000円
利回り:20%
注目すべきは、本当の利回り!
でも実際は・・
分配金:1,800円
一年前の基準価格:12,000円
一年前に購入していたら、1,800円 - 3,000円で1,200円のマイナス・・・
利回りも15%になってしまいます。
分配金の再投資
毎月の分配金を再投資することで、複利効果を享受できる可能性がありますが、市場状況や分配金の安定性によっては、再投資の効果も変わってきます。
そのため、分配金の再投資は、市場の動向を常に注視しながら慎重に行う必要があります。
投資の世界には様々な戦略がありますが、分配金の再投資は特に長期的な資産形成に注目されています。
これは、投資信託などから受け取る分配金を再び投資に回し、資産を増やしていく方法です。では、なぜこれが賢い選択なのでしょうか?
ドルコスト平均法のメリット
分配金を再投資する際、自然と分配金がドルコスト平均法を活用市場の変動リスクを分散することができます。これにより安定した資産形成が期待でき流のです。ドルコスト平均法とは、一定額を一定期間ごとに投資する方法で、市場価格の高低に関わらず投資を続けます。この方法の大きなメリットは、市場の変動によるリスクを平滑化することにあります。
分配金再投資とドルコスト平均法の組み合わせ
- リスクの分散
分配金を再投資する際にドルコスト平均法を取り入れると、市場が高騰している時は少ない量を、低迷している時はより多くの量を購入することになります。結果として、投資単価の平均化を図り、市場の波に左右されにくい投資ポートフォリオを構築できます。 - 長期的な視点
ドルコスト平均法は特に長期投資においてその効果を発揮します。分配金を定期的に再投資し続けることで、時間を味方につけ、市場の上下動を利用しながら資産を着実に増やしていくことができます。
分配金の再投資とドルコスト平均法を組み合わせることは、特に長期にわたる投資で効果的です。市場の短期的な変動に一喜一憂することなく、着実に資産を増やしていくための堅実な方法と言えるでしょう。
毎月分配型投資信託のリスク
市場リスク
投資信託の基準価格は市場の影響を受けるため、市場が低迷すると分配金の支払いが元本を食い込む原因となり、最終的には資産価値を減少させることになります。
利回りの誤解
高い分配金をアピールする投資信託もありますが、その利回りが必ずしも高い運用成果を意味するわけではありません。利回りと実際のリターンを混同しないように注意が必要です。
インフレリスク
分配金が固定されている場合、インフレにより実質的な収益が減少する可能性があります。特に長期間にわたって投資をする場合は、インフレ率を考慮に入れた投資計画が重要です。
投資戦略としての考慮点
分散投資
毎月分配型投資信託だけに依存するのではなく、ポートフォリオ全体のバランスを考え、分散投資を心がけることが大切です。
継続的な監視と評価
投資信託の選択と保有は、一度きりの決定ではなく、定期的な見直しと評価が必要です。市場状況や自身の投資目標に合わせて、適宜ポートフォリオを調整しましょう。
長期的視点
投資は長期的な視点を持つことが大切です。短期的な市場の変動に一喜一憂するのではなく、自身の投資目標とリスク許容度を確認し、長期的な資産形成を目指しましょう。
結論
毎月分配型投資信託はその分配金に魅力がありますが、適切な理解と戦略が不可欠です。
リスクを認識し、分散投資やポートフォリオの継続的な評価を通じて、賢い投資を心がけましょう。
そして何より、自分自身の投資目標とリスク許容度に合った投資選択を行うことが重要です。確かな情報に基づいて決断を下し、長期的な視野で資産を増やすことを心がけていきましょう。
おすすめの投資戦略が以下の組み合わせです。
- 証券会社:SBI証券
- 投資対象:三菱UFJ-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 投資方法:つみたてNISA
- 投資金額:毎月一定額。手取り収入20%
この戦略を実行することで間違いなく、将来的なお金の不安から解放されます。2024年は新NISA元年です。毎月分配型に惑わされることなく、確実な投資戦略を実行していきましょう!