転職面接で必ず聞かれる質問の一つが志望動機です。
ところが、本心では年収や知名度で志望企業を選んでいる方がほとんど。
本音の志望動機を面接で答えることができる人は、非常に少ないのではないでしょうか。
それは、志望動機が
「真正直に答えるものではなく、理論的に組み立てて作り上げる性質のもの」
だからです。
(本心から働きたいと思っている企業がある人はごめんなさい。)
すみません・・・
私には、ネット情報だけで本心から働きたい会社に出会えるとは到底思えないのです・・・
ですから、
「志望動機は作り上げるもの」
ということになります。
転職エージェントも志望動機を作り上げる手伝いをしてくれます。
登録の面倒はありますが、実際に役に立ったエージェントのリンクを貼っておきますね。
とはいえ、人に相談するよりもまずは自分自身を掘り下げたいという方々へ。
今回の記事では、私のように不真面目な方にも簡単にできる志望動機の作り方を3ステップでご紹介します。
よかったら参考にしてみてください。
前置きが長くなりましたが、結論です。
結論
志望動機の作り方3ステップ
- スキル・経験とこれから実現したいことを固める
- 志望企業の魅力
- マッチング
以上の流れで志望動機を作ります。
まずは、自分のできることスキル・経験とこれから実現したいことを語ります。
次に、志望動機の魅力を実体験を交えて話し、この二つのマッチングで締めるという流れです。
それでは、掘り下げて解説していきますね。
これまで面接をくぐり抜けてきた実例も紹介しています。
少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです。
20代、30代、40代で1回ずつ転職を成功させているトシがお答えします。
志望動機で伝えるべきことは何か?
志望動機で伝えるべきことは、その会社でずーっと働き続ける”継続性”、そしてあなたととともに生きていくという”本気度”です。
もちろん、本心には”年収”や”安定性”があっても構いません。
しかし、面接時にはこの2点を伝えることができない限り内定はあり得ません。
それでは、そもそも面接官はなぜ何度も志望動機を聞くのでしょう?
転職面接は2−3次面接まで実施されることが一般的です。
毎回の面接で志望動機を聞かれますが、それには二つの理由があります。
一つ目の理由;採用コスト
転職エージェントへの報酬は転職者年収の30%〜40%と言われています。
あなたの年収が1,000万円だったら300万円から400万円。
その他の採用コストを含めるとその倍はかかっていると考えて良いでしょう。
多額の費用をかけて採用する人間が早々に会社を辞めたり、活躍されないと大きな損失になるのです。
二つ目の理由;企業の本気度
転職活動は婚活に似ています。
まさに一生を添い遂げる伴侶を探す男女のようです。
それにもかかわらず、やっと現れた想い人がこんな理由で結婚したいといっていたらどう感じるでしょうか?
- 容姿が可愛い→有名企業だから、大手企業だから
- お金を持っていそう→年収が高いから
- 言うことを聞いてくれて楽→ワークライフバランスが良くて仕事が楽だから
本心が相手の容姿であっても、それを理由に結婚すれば破局が待っています・・・
以上のような理由を理解すれば、志望動機で伝えるべき内容が見えてきます。
繰り返しますが、あなたの“継続性”と“本気度”なのです!そして企業への「理解度」が試されます。
そんなことを言っても、
働いたこともない企業など本気になれそうもなく、まして理解などできない・・・・
という方のために、以下の3ステップを用意しました。
この手順を踏むことで、必ず面接官の心に刺さる志望動機を作り上げることができます。
志望動機の作り方3ステップ
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1. スキル・経験とこれから実現したいことを固める
企業は即戦力を求めています。
自分は、
こんなスキル・経験があるので、御社でお役に立てることができます。
がまず先にあるべきです。
ワークライフバランスや社風などを優先して企業を選択する方法ありますが、私はあまりおすすめしません。
(もちろん、ブラック企業は避けるべきですが。)
なぜなら、スキル・経験が不足した転職先では、間違いなく周囲との人間関係が悪化するからです・・・
その先は、ワークライフバランスだけではありません。
メンタルの悪化が待っています。
繰り返しますが、
あなたのスキルと経験で会社に役に立つどうかを第一に考えましょう!
それには、自分は何ができるか?
事前にスキル・経験の棚卸しをしておくことも重要です。
これから実現したいこと 現職とのギャップ
これから実現したいことについては、現職ととのギャップを交えて話すようにしましょう。
なぜなら、実現したいことを話すと、
それって、現職でも実現できないのですか?
現職でも実現できることなのではないですか?
という質問につながるからです。
それでは、具体的にはどのようなギャップが考えられるでしょう?
例えば、
経営方針のギャップ
- 現職:市場ポジションが確立していて、新たな事業投資する方針がない
- 実現したいこと:DXとの掛け合わせで新たなプラットフォームを開発したい
戦略のギャップ
- 現職:自社技術・製品という戦略の制限があり、DXなどの新技術を持つ他業種との協業機会が少ない。
- 実現したいこと:制約のない商社で様々な業種と連携して新しいビジネスを生み出したい。
他にも一緒に働いているメンバーの能力や上司との意見の相違などなど、正直に考えれば色々あると思います。
ただし、悪口や陰口になるようなことはないように。
前向きな姿勢でギャップを伝えるようにしましょう。
2志望企業の魅力
次に志望企業の魅力を語りますが、この部分をいかに具体的にするかで勝敗が決まります。
よくある手法はHP上の情報収集です。
当然ですが、徹底的にHPを読み込み、募集要項と関連する情報は丸暗記しておきましょう。
そのほか、最新のニュース、面接官のインタビュー記事も要チェックです。
大企業の部長クラスですと、インタビュー記事などがネット上で掲載されていることがあります。
これらには、面接官個人の考え方や業績が語られています。
これらを面接で取り上げる効果抜群です!
面接官個人の承認欲求をくすぐる戦術ですね。
是非試してみてください。
さて、どれだけネット上の情報を集めても、実際には誰でも共通して取得できることに変わりありません・・・
他の候補者も当然ながらチェックしていると思っていいでしょう。
ありきたりの口説き文句が相手の心を動かすでしょうか?
本気で婚活している相手の心を動かすことができるでしょうか?
ネット以外の情報が必要なのです!
その解決策が、その企業の社員とコンタクトをすることです。
振り返って、私が最終面接まで進んだ企業の多くは、何らかの形でその企業の社員と接点がありました。
正直なところ、志望動機自体は、他の企業にも当てはまる内容です。
しかし、その企業の社員の魅力、仕事の姿勢、話した内容については、間違いなく差別化できる事実になります。
企業にとって社員は、我が子のようなもの。
自分の娘・息子の魅力を聞いて悪い気がする親はいません。是非とも実行してください。
3マッチング
スキル・経験とこれから実現したいこと、そしてその企業の魅力を準備できれば、あとはこれらがいかにマッチしているかをまとめるだけです。
“1”と“2”が合致していること、それこそ他の誰でもないあなただけの志望動機となります。
3ステップで作った志望動機の実例
実際に私が応募書類で使った文面を多少アレンジしました。(社名や個人が特定されるとヤバいのでご了承のほどを。)
例1
応募資格・必須経験:
エネルギー分野の新規事業立ち上げ
法務、ファイナンス、プロジェクト管理
案件進捗を管理し、関係者を巻き込んで課題解決を遂行できる方
経験・スキル・実現したいこと
現在、マーケティングマネージャーとして、新商品開発・市場開拓のために5人のメンバーを率いています。
ファイナンス知識を活用して数字をアクションに落とし込み、各アクションをKPIで管理することで複数のプロジェクトを推進してきました。
今後は、DX等を取り入れて新たな仕組みを作り上げていきたいと考えております。
一方、現職は経営陣の方針により、今後3年間は新規投資は実施しない方針となりました。
志望企業の魅力
Aさんにお伺いしたところ、御社はエネルギー分野で脱炭素につながる事業を立ち上げ、今後3年間で数千億円の投資計画があるとお伺いいたしました。
マッチング
エネルギー開発分野でSDGの概念を取り入れて積極的に新しい技術への投資を計画している御社でこそ、これまでのプロジェクト管理の経験・スキルでお役に立てると考えております。
例2
応募資格・必須スキル
食料・食品業界でのマーケティング、商品開発に経験5年以上
経験・スキル・実現したいこと
現在、A商品の商品開発を担当しております。プロジェクトをリードして生産・営業担当者と協力して複数の商品化を手がけてきました。現在、ポートフォリオの主力となっています。
今後は、機能性が高い商品を海外に広める仕事をしたいと考えています。
現職は、国内市場をターゲットとしており、海外へのチャレンジを提案しましたが、経営資源が不足していることを理由に実現の見通しを立てることができません。
志望企業の魅力
御社は、輸入業者として創業し、現在は輸出及び三国間トレードで各国に営業・調達双方の拠点を構えています。
マッチング
これまで培った商品開発、プロジェクト管理能力を活かして日本から世界へ豊かな食文化、生活を発信していきたいと考えています。各国に基盤があり、さらにビジネスを展開する方針を掲げている御社でこそ、お役に立てると考え、応募いたしました。
例3
応募資格・必須スキル
商社事業開発・管理・ビジネス英語TOEIC730以上、簿記2級程度以上
経験・スキル・実現したいこと
メーカーA社で海外営業と海外子会社経営管理を兼務しています。中長期戦略の策定、年間の予算管理を通して、経営に関する各種課題解決及び社内外関係者との調整スキルを磨いてきました。
さらに市場を活性化させるためには、単一の技術に頼らず、ネットやエネルギー業界とも協力してシナジーを生み出す仕事をしていきたいと考えています。
一方、当社メーカーA社は、非常に専門性の高い技術者集団ですが、Aグループに属していることもあり積極的に他業界と協業をする方針はない状況です。
志望企業の魅力
御社B氏から伺った話によると、御社は業界に基盤を持ちながら、積極的にDXや自然エネルギー業界と協業やスタートアップへの投資を加速させる方針と伺いました。
マッチング
これまでに培った経営管理、社内外の関係者との調整能力を活かし、他業界との協業を加速させて新しい価値を生み出す仕事をしたいと考えています。
もちろん、配属先のチームと相談した上ですが、例えば、多様なビジネスを展開する御社の多様なリソースを活用して、脱炭素と収益性を両立したビジネスを作り上げることが望みです。
まとめ
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
転職活動は、自身の心を奥底まで掘り下げる作業です。
なぜこの業界で働きたいのか?
なぜこの企業で働きたいのか?
を考える必要があります。
なぜなぜを5回繰り返せ!とよく言いますが、そこまで掘り下げることなどできない・・・という方がほとんどでしょう。
ただ、これまでのスキル・経験を振り返り、なぜこの企業で自分が役に立つのか?
という問いに対しては、意外と説明しやすいものです。
あなたのスキル&経験とその企業の魅力(あなたとその企業ならではのエピソード)のマッチングで語るのです。
そうすることで、あなたの”本気度”とその企業で働く”継続性”を伝えることが必ずできます。
この記事が少しでも皆さんの転職活動にお役に立てたら嬉しいです。