独学で費用を節約しながらUSCPAに合格できる方法はないかな?できれば予備校に行く費用も抑えたい。
USCPA試験の独学合格は無理ゲーと聞いたけど本当かな?
また、試験勉強以外に気をつけるべきことも教えてほしいな。
こんな疑問にお答えします。
USCPA米国公認会計士ライセンスを取得、AICPAに登録して7年になります。
結論
以前、このブログ上で、USCPAに独学で合格することはほぼ無理ゲーと書きましたが、出願州や予備校、教材を適切に選ぶことで、できるだけお金をかけずに実現することが可能です。
独学で合格するの最低費用は、約40万円です。
この記事では、費用を節約して4科目合格するための情報をまとめました。
無料オンライン問題集もご紹介しますので楽しみにしていてくださいね。
一方、予備校を使うと最低でも100万円程度。とにかく短期間で合格したい方は予備校を使うのもアリです。
参考2022年最新版 米国公認会計士USCPA 資格予備校 ライセンス保持者が徹底比較
米国公認会計士 USCPAライセンスを取得したいけれど、やっぱり予備校行かなきゃだめかな? 予備校に行くとすればどの予備校がおすすめ?どうやって選べばいい? こんな疑問に現役の米国公認会計士USCPA ...
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目次
- 費用を抑えるためのポイント3つ
- 独学で合格するためのおすすめ教材
- 合格への最低限の費用
- 無料で使えるおすすめサービス
- 独学における注意点
- まとめ
費用を抑えるためのポイント3つ
USCPA合格の費用を抑えるには、次のポイントを抑えましょう。
ポイント
- 大学での取得単位
- 出願州
- 資格予備校
それでは一つひとつ掘り下げていきます。
大学での取得単位
正直、独学でも十分に合格レベルに達することは可能ですが、それには条件があります。
- 大学での取得単位総数が120 - 150単位以上であること。
- 大学で会計単位・ビジネス単位を取得していること。
州によって受験資格条件は異なりますが、最低でもニューヨーク州が定めている単位総数120単位、会計単位4科目12単位を取得していなければ、受験することすらできないのです。
学歴評価
まずは、あなたの卒業大学から卒業証明書(英文)と成績証明書(英文)を取り寄せて学歴評価をしましょう。
州によって異なりますが、日本人が受験しやすいニューヨーク州、ワシントン州、モンタナ州、などは以下のNASBAで学歴評価が可能です。
学歴評価についてはこちら⬇️
学歴評価の結果
- 単位が十分 ⇨ 独学でUSCPA受験が可能です。
- 単位が不足 ⇨ 残念ですが資格予備校のUSCPAコースを受講が必要です。
将来的には米国の大学の単位をオンラインで取得できるようになるかもしれません。
傾向を注視して、可能になったらご紹介したいと思います。
出願州
繰り返しますが、必要単位数が少ない出願州はニューヨーク州です。
- 単位総数120単位
- 会計単位12単位
で受験資格を獲得できます。
単位取得をするためには、単位認定費用がかかりますので、ニューヨーク州への出願が最も費用を抑えられます。
次に必要単位数が少ない週はモンタナ州ですね。
各州の条件を知りたい方はこちら⬇️
【現職USCPAが解説】米国公認会計士(USCPA)ライセンス取得 難易度・試験概要・受験資格
資格予備校
アビタス、TACが有力候補ですが、最安はプロアクティブEラーニングコースです。
ここでは、最大手のアビタスと最安講座を提供しているプロアクティブを紹介します。
最大手 アビタス
費用合計
- 大学で単位取得済み:452,500円(入学金11,000円+ライトパック564,500円(15単位取得料込み)▲教育給付金100,000円
- 単位が不足している:652,000円(入学金11,000円+フルパック763,000円(15単位取得料込み)▲教育給付金100,000円
内容
- サポート期間 5年間
- 単位取得試験料
- 受講料
- 教材(テキスト・問題集)
- 教材(eラーニング・Web問題集)
- 直前対策講座
- 自習室・PCブース利用
- 教室講義への参加
- 電子テキスト(無料提供中)
- 模擬試験(無料提供中)
- 過去問(無料提供中)
特徴
- 実績:USCPA資格予備校で国内最大手、累計合格者数 4,000名以上
- 教材:合格に必要な内容・問題に絞って要点を整理。効率的な勉強をサポート
- 講義:会計初心者にも非常にわかりやすい
こんな方におすすめ
- 効率的に頻出問題のみ勉強したい
- 簿記の基礎から教わりたい
- 超忙しい!1日の勉強時間が3時間未満
こんな方にはおすすめしません
- 全ての過去問を練習しないと不安
- 1日の勉強時間は3時間以上確保できる
- 若い!20代で合格まで時間をかけることができる
アビタスが気になる人は、まずは情報収集してから決めても良いのではないでしょうか?
最安予備校 プロアクティブ eラーニングコース
費用合計:
単位取得費用が講座費用とは別になっています。
通学プランもありますが、ここでは全てオンラインで受講できるeラーニングをご紹介します。
- 大学で単位取得済みの人:200,000円(eラーニング250,000円 ▲教育給付金50,000円)
- 単位が不足している人:305,800円(eラーニング250,000円+単位取得費用105,800円(1,000=250x4教科)▲教育給付金100,000円)
特徴:
- デモサイトがあるので安心 プロアクティブeラーニング デモサイト
- 必要最低限の内容をオンラインで身につけることができます。
- 講義は若干わかりにくいところがあります。
- 動画や教材を全てWebで配信 テキストがダウンロード可能!
- 就職・転職サポートを受けられます。
内容:
- 約300時間の講座動画で全4教科学習可能
- 圧倒的な過去問約9,000問
- シミュレーション対策100問以上
- 直前対策
- テキストがダウンロード可能
- 学習に関する質問
- 受験手続きサポート
- 就職・転職サポート
こんな方におすすめ
- 会計には自信がある。少なくとも基礎はできてる。
- 講義は聞かなくともOK。完全に聞かなくとも構わない
- 試験対策はアウトプット中心。問題を解きまくる!
- 1日3時間以上の勉強時間を確保できる。
こんな方にはおすすめしません
- 会計について全くの初心者
- 受験資格取得やライセンス取得で手厚いサポートが欲しい
独学で合格するためのおすすめ教材
予備校に通わずに合格するには以下のような勉強方法があります。
繰り返しますが、会計単位が必要な人は予備校を利用しましょう。
すでに会計単位を十分に取得している人が対象です。
- 米国の教材を利用する
- 中古の予備校テキスト教材をを利用する
- 無料のオンライン教材やテスト
それぞれの概要を説明していきますね。
こんな方におすすめ
- すでに受験資格条件を満たし、単位取得不要
- 英語を勉強しながら合格したい
- 勉強時間は1日3時間以上確保 可能
- 将来は英語を使った仕事につきたい!
こんな方におすすめしません
- とにかく時間をかけたくない!効率的に勉強したい!
- 英語アレルギーがある(TOEICの目安は720点)
- 英語は合格後に勉強すれば良いと思っている
米国の教材を利用する
日本で予備校にあたる学習サイトは米国でCPA Review Courseと呼ばれ、日本でも受講可能です。
いずれのコースも1,500〜3,000ドルほどかかるのですが、テキストのみを購入できることはあまり知られていないかもしれません。
テキストのみであれば、数百ドルで購入可能です。
この記事では、おすすめのSurgent, Wiley, Gleimをご紹介します。
Surgent
米国で合格実績No.1のオンラインコースSurgentのテキストです。
予備校のTACも採用しています。
まずは無料コースを使ってみましょう。
無料お試しコース:Free Trial Surgent CPA Review course
MC問題と解答を繰り返してみると、意外と理解できることに気がつくはずです。
- オンラインテキスト:あり
- テキスト購入ページ:Surgent Textbook Set(FAR, AUD, REG, BEG)
- 料金:450ドル(分割払い可 6回払いまでは利息なし)
- FAR:796ページ、MC295問、シミュレーション11問
- AUD:500ページ、MC200問、シミュレーション9問
- REG:504ページ、MC260問、シミュレーション12問
- BEC:544ページ、MC266問、シミュレーション7問
Wiley
Wileyはテキストとオンライン問題集を別々に販売しているので注意が必要です。
テキスト&問題集(一部のみ)セット
Study Guide CPAexcel Exam Review 2020 +Question Pack
- Study Guideがいわゆるテキストで、Question Packは後述するオンライン問題から抜粋された問題集です。
- 料金:600ドル(Wiley公式ページ価格です。アマゾンで科目ごとに購入したほうが安い可能性あります)
- 4科目共通:MC500問、シミュレーション5問
- 購入すると、下記Test Bankの1ヶ月無料アクセス権が付与されます!
オンライン問題
- 完璧を目指したい人におすすめ。
- オンラインMC問題&シミュレーション問題。
- この問題集を8割正解できるレベルに仕上げれば合格間違いなしです。
- アクセス権:1年間
- 料金:600ドル(4科目)(公式ページ価格です。今ならアマゾンのほうが安いですね。2020年8月現在)
- FAR:MC2,000問、シミュレーション75問
- AUD:MC2,000問、シミュレーション60問
- REG:MC1,400問、シミュレーション65問
- BEC:MC900問、シミュレーション5問
Gleimオンライン
合格者100万人以上の実績を誇るコースです。
残念ながらテキストのみの販売はされていません。
このボリュームと内容で料金が約1200ドルはかなりリーズナブルな価格設定です。
無料の模擬試験、学習教材も多いのでまずは試してみましょう。
- コース:Gleim Traditional CPA Review System
- 料金:1,199.25ドル
- 内容
- シミュレーション 1,300問以上
- MC 10,000問以上
- テキスト
- 模擬試験
- パーソナルコーチング
- 安心の無料デモ教材:FREE CPA Exam Review Materials
日本の予備校テキストを中古で購入
アビタスの中古テキスト&問題集がメルカリやヤフオクで購入可能です。
古いバージョンのテキストは新税制や会計制度に対応していない部分もあるので注意しましょう。
- 費用:7万円ほど
- 2020年8月現在 Version7.1
合格への最低限の費用
単位取得が必要な場合と、不要な場合に分けて紹介します。
単位取得が必要・予備校利用の場合
プロアクティブeラーニングコースが最安、最低限の合計費用は約60万円です。(ドル円105.8/US$)
合計金額 586,562円
- 資格予備校講座(プロアクティブeラーニング)250,000円
- 教育訓練給付金支給 ▲50,000円
- 学歴審査費用 23,805円(225ドル)
- 英文卒業証明書 2,000円
- 単位取得費用 105,800円(1,000ドル = 250ドルx4教科)
- 出願費用 15,870円(150ドル)
- 受験料 88,195円(833.6ドル=208.4ドル x 4科目)
- 日本受験費用 150,892円(356.55 x 4科目)
独学の場合
一方、大学で会計単位・ビジネス単位を取得できている場合は、20万円ほど節約でき、最低限の費用は40万円ほどとなります。
合計金額 40〜45万円
- テキスト購入代金 50,000〜100,000円
- 教育訓練給付金支給 ▲50,000円
- 学歴審査費用 23,805円(225ドル)
- 英文卒業証明書 2,000円
- 単位取得費用 105,800円(1,000ドル = 250ドルx4教科)
- 出願費用 15,870円(150ドル)
- 受験料 88,195円(833.6ドル=208.4ドル x 4科目)
- 日本受験費用 150,892円(356.55 x 4科目)
無料で使えるおすすめサービス
いくつかの団体やウェッブサイト(英語)でUSCPA試験の無料サンプルや勉強資料が公開されています。
残念なことに解説がないのですが、アウトプットを繰り返すのには最適です。
AICPA(米国公認会計士協会)
CPA Exam Sample Tests & Tutorial
米国公認会計士協会が提供するUSCPA試験の無料サンプルです。
無料とは思えないほど、実際の試験そのものを体験できます。
MC問題がある程度できるようになったら、早いうちに挑戦して実際の試験に慣れておきましょう。
テストを始めるには、
- 画面右下の”LAUNCE”ボタンをクリック
- 次画面で”Your Launch Code 7桁数字”を入力
で開始できます。
4教科全て揃っています。下記リンクからどうぞ⬇️
NJCPA MC問題
4科目の4択問題が豊富に提供されています。こちらも無料です!
https://www.njcpa.org/build-career/become-a-cpa/cpa-exam/sample-exam-questions
CPA Review for Free
https://www.cpareviewforfree.com/
開始するにはメルアドなどの登録が必要です。無料の機能だけでもかなりおすすめです。
Gleim Free CPA questions
米国CPA教材で紹介したGleimの無料教材です。
シミュレーション問題、MC問題両方受けることが可能!
名前等を入力する面倒はありますが、やってみる価値あります。
CPA Flashcard 暗記カード
全てのUSCPA学習者におすすめ!
Quizletという学習サイトの機能を使って Flashcardいわゆる暗記カードが作成・一般公開されています。
会計用語を英語で暗記するのにおすすめです。
- BEC Flashcards 157枚のカードでBECに関する暗記ができます
- AUD Flashcards 78枚のカードを使って英語で用語の定義を暗記できす
- REG Flashcards カード数260枚、REG分野に関わる用語を暗記できます
- FAR Flashcards カード数207枚、英語でを用語暗記するのに最適です
独学における注意点
予備校を使わずに独学で勉強する場合には、様々の情報を自分で収集したり、面倒な手続きを自分で行う必要が出てきます。
ここでは、予備校に通わない場合に注意した方が良いと思われるポイントをまとめました。
ライセンス取得
全教科に合格しただけではUSCPAと名乗ることはできません。
倫理試験合格、実務経験とUSCPA資格保持者による承認があって初めてUSCPAを名乗ることができます。
アビタスやプロアクティブでライセンス取得サービスを提供しているので、合格したらコンタクトしてみましょう。
受講生以外でも利用可能です。
試験制度
かつて2017年には試験問題の構成が大きく変更されました。
- 試験時間の変更::全教科の試験時間が4時間に変更
- 出題形式の変更:Multiple Choice(4択問題)の出題比率が低下、Task-Based Simulation(総合問題)の比率が増加
- 試験システムの変更:エクセルのコピー・ペースト機能の追加
結果として、平均合格率が50%から48%にダウンしています。
わずかのダウンですが、これらの試験制度変更を把握していなかったら、大きなハンデになります。
将来的にも改悪・改善があるかもしれません
会計基準・法律の変更
かつて、国際会計基準と米国会計基準の間の際を埋めようとした2000-2010年代、幾度となくFARの試験範囲が変更されました。
同じ頃に内部監査が義務化されるSOX法が施行されたので、AUDの試験範囲まで変更される始末。
最近ではトランプ税制がありました。
何を言いたいかというと、こういった会計基準、法律の変更により問題内容も変更されるということです。
ただ、試験は全範囲から平均的に出題されます。
新しい会計基準から集中的に出題されるということはないので、切り捨てるというのも戦略かもしれません。
注意ポイント
変更がある場合には、事前に公表されます。
下記ホームページを定期的にチェックするようにして対応できるようにしておきましょう。
まとめ
少々長文になってしまいましたが、いかがだったでしょうか?
大学在学中に会計単位・ビジネス単位が十分に取得できている人は、米国の教材や日本の予備校の中古テキストを利用することで十分に独学で合格が可能な試験と感じられたのではないでしょうか?
会計単位・ビジネス単位が不足している人は、残念ながら資格予備校のUSCPAコースを使う以外に選択肢はありません。
しかしながら、教材と問題集でアウトプット中心に鍛える試験ですので、プロメトリックeラーニングで十分に合格レベルにすることは可能です。
また、最短で効率的に勉強したい人はアビタスがベストの選択肢となります。
参考2022年最新版 米国公認会計士USCPA 資格予備校 ライセンス保持者が徹底比較
米国公認会計士 USCPAライセンスを取得したいけれど、やっぱり予備校行かなきゃだめかな? 予備校に行くとすればどの予備校がおすすめ?どうやって選べばいい? こんな疑問に現役の米国公認会計士USCPA ...
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皆さんの単位取得状況、勉強に投資することができる時間・費用で異なってくると思います。
予備校を使った場合、合格までの勉強時間の目安は、1日3時間、2年以内です。
最初は、広い試験範囲と英語長文に気が遠くなるかもしれません。
しかし時間をかけてでも、やれば必ず理解できるようになります。
すみません。時間をかけない方法があればベストですが、凡人のぼくにはわかりません・・・
とにかく、USCPAは費やした時間と費用に見合った年収、キャリアを約束してくれる資格。
まずはやってみる。そして最後までやり遂げる。その先に将来が見えてきますよ!