USCPA米国公認会計士 キャリアアップ

【2021年最新版】米国公認会計士USCPAライセンスへの道

米国公認会計士USCPAは、間違いなく就職、転職を有利にする資格です。

この記事では、少しでもこの資格に興味を持った方に、米国公認会計士とはどんな資格なのか、日米で公開されている最新の情報や自らの経験をもとに解説します。

管理人プロフィール

外資系でマーケティングマネージャーを担当している米国公認会計士。試験に合格して10年ほど。

メーカー営業としてキャリアを始めましたが、二度の転職を得て今の仕事をしています。

結論:米国公認会計士USCPAって一体何?

米国各州の公的機関が認定する会計士資格。

世界150カ国、約40万人が活躍する国際ビジネス資格の最高峰となります。

英語と会計&ビジネススキルを証明する最も投資効果が高いオススメの資格です。

公認会計士といえば、監査法人やコンサルに勤めるお堅いイメージがあるのではないでしょうか?

その通りではありますが、実はもっと幅広い分野で活躍されています。

企業の経理・財務はもちろんのこと、事業会社の経営企画部やマーケティング、M&Aなどなど。

特に監査については、日本の公認会計士同様に米国で独占業務となっています。

試験はもちろん英語。

英語での業務遂行力の証明にもなっており、イギリス、シンガポール、オーストラリア等、多くの英語圏で通用します。

ライセンスを取得してよかったことをまとめました⏬

米国公認会計士資格 USCPAライセンスを取得してよかった5つの理由【失敗談もあります💦】

資格取得までの道のりを調べるには、資格専門の予備校資料(もちろん無料)もおすすめです。

アビタスには私もお世話になりました。

米国公認会計士ならアビタス。

それでは、以下の項目に沿って解説していきます。

米国公認会計士資格 取得のメリット:どんな良いことがあるの?

前述したように、国際ビジネス資格の最高峰である米国公認会計士ライセンスは、英語・会計・ビジネス基礎知識を証明する強力な武器となります。

そのような資格を取得するとどのような良いことがあるでしょうか?

就職・転職・昇進で有利になる

国際的に認知されたビジネス資格の最高峰です。

そのため、グローバルに展開する事業会社の採用担当者からも高く評価されています。

私自身、米国公認会計士試験合格を機会に、会計未経験で転職を成功させました。

【実録】経理未経験USCPA米国公認会計士による転職 成功談

年収アップ

せっかく、多大なお金と時間をかけて受験勉強をするのですから、その投資に見合った年収アップがなければ頑張る甲斐がないですよね。

そこで、大手転職サイトで調べたところ、以下のような年収幅であることがわかりました。

ちなみに私も大幅年収アップを実現しています⏬

手取り15万円で始まって年収1000万円超えになるまで

監査法人

  • 未経験者:500-600万円
  • シニア:800万円以上
  • マネージャー:1,000万円以上

外資系経理

  • スタッフ:400-600万円
  • マネージャー:1,000万円以上

一般企業

  • 初年度:300万円程度
  • シニア:700万円程度
  • マネージャー:900万円以上

ちなみに、私のケースは以下のように年収が変化しています。

年収の移り変わり

  • メーカー勤務営業職 米国公認会計士試験合格前:600万円
  • 総合商社勤務総合職 米国公認会計士試験合格後:1,000万円
  • 総合商社勤務総合職(課長) 米国公認会計士ライセンス取得後:1,200万円以上
  • 外資系勤務マーケティング職(マネージャー) 米国公認会計士ライセンス維持中:1,200万円以上

詳しくは以下をご覧ください

米国公認会計士資格 USCPAライセンスを取得してよかった5つの理由【失敗談もあります💦】

お金に役に立つ知識が身につきます

人生はお金じゃない、と言いながら多いに越したことはありません。

ところが、お金が絡む判断、損得勘定をする際には知識武装されなければなりません。

例えば、株式投資。投資先の企業を選ぶ際には、ファンダメンタル、財務諸表を理解する必要があります。

身近なところでは、家計の見直し。

皆さんはどのように節約をしていますか?

もしも、毎日ポイント還元率の高いスーパーを選んでいるからバッチリ!という人がいれば、会計力を磨きましょう。

お金に関するリベラルアーツを鍛えることも有効です。

【第一回】お金についてのリベラルアーツ  お金から自由になる 基礎編1

仕事でも、会計知識は大いに役に立ちます。

ちなみに総合商社は会計知識必須、昇進要件や採用要件にも含まれています。

日常業務でも予算実績管理や設備投資の意思決定、投資先企業の財政状態の見極め、などなど。

米国公認会計士資格 USCPAライセンスを取得してよかった5つの理由【失敗談もあります💦】

どうやったらなれる?米国公認会計士USCPAへの道

非常に魅力のある資格 米国公認会計士USCPAですが、どのように取得すれば良いのか?

まずは、その試験制度からご紹介しましょう。

試験制度

試験制度を理解するためには、ちょっと複雑な試験に関わる各機関・組織の名称と役割を覚える必要があります。

AICPA : American Institute of Certified Public Accountant

米国公認会計士協会です。

出題範囲、試験内容を決めます。

模擬試験などもあり、受験生にとって必須のホームページです。

実は、ライセンス取得後も継続教育などでお世話になりますよ。

State Jurisdictions 各州司法局

米国では、州政府がCPAライセンスの発行、管理、を取り扱います。

米国公認会計士は、合衆国ではなく各州が認可するライセンスなのです。

NASBA: National Association of State Board of Accountancy

試験プロセス全体を管理します。

ここに試験費用を支払うと、受験スケジュールが記載されたNotice to Schedule(NTS)が送られてきます。

参照元)Gleim

Prometric

AICPAに代わって、試験を運営しているテストセンターです。

試験は、このPrometricが運営するテストセンターで行われます。

なんと、米国の資格でありながら、日本でも受験することができます。

試験会場住所
東京:お茶の水ソラシティ東京都千代田区神田駿河台4−6 お茶の水ソラシティ アカデミア5階
大阪:中津大阪市大阪府北区中津1−11−1 中津センタービル7階

私が受験した2011年ごろはグアムが最も近い試験会場。受験へのハードルはだいぶ下がりました。

各組織の関係図

これらの組織と受験生の関係を図にすると、以下のようになります。

参照)Gleim

州によって異なるライセンス取得要件

米国の資格とはいえ、各州でライセンスが発行されるため、州によって受験要件、ライセンス取得要件が異なります。

かなり面倒ですが、要件を満たす難易度が異なるため、よくよく考えて受験州を選択しましょう。

この要件は、以下の4つの”E“で区分されるので、”4E”などと呼ばれています。

Education 教育

ほぼ全ての週は受験要件が120単位、ライセンス要件が150単位となっています。

Examination 試験 

当然ながら試験に合格する必要がありますが、極端に恐れる必要はありません。

忙しい学生や社会人でも合格することができる試験となっています。

その理由は?

日本会場で毎日受験可能

他の資格試験のように年に一回といったことはありません。

前述のPrometricの東京・大阪受験センターで毎日受験可能

もちろん、忙しい学生・社会人のために土日もです。

迅速な合格発表

合格発表は、受験日から3週間程度すると、NASBAホームページで合否を確認することができます。

1科目ずつ受験OK

受験科目は、FAR, AUD, BEC, REGの4科目ですが、全部を1日で受験する必要はありません。

1科目ごとに受験して、4回に分けてもOKです。

合格人数に制限なし。99年満点、75点で合格

日本の公認会計士試験のように、毎年の合格人数を調整されることはありません。

1科目99点満点のテストで75点以上の点数を獲得できれば、誰でも合格です。

科目合格の有効期限は18ヶ月

科目合格には、18ヶ月の有効期限があります。

最初に科目合格してから、18ヶ月以内に残り3科目を合格すれば、「米国公認会計士試験合格」となります。

出題形式は3つ

全てパソコン上で受験します。筆記試験はありません。

以下の3つの出題形式に分かれています。

出題形式内容該当科目
4択問題(MC: Multiple Choice)4つの選択肢から正しい答えを選ぶ問題4科目全て
総合問題(TBS: Task-Based Simulation)与えれた事例について、数値入力、選択問題、穴埋めなど、複数の問題に応える問題4科目全て
記述問題(WC: Written Communiation)与えられた事例に対して、ビジネス文章を作成して応える問題(もちろん英語)BEC

Experience 経験

州によって異なりますが、試験に合格してライセンスを取るためには、2年の実務経験が必要です。

実務要件の内容についても州によって異なり、企業での会計監査以外の実務経験でも認める州がいくつかあります。

Ethics

倫理。公認会計士は厳しい職業倫理を求められています。

高い職業倫理が、米国公認会計士を医師についで信頼が高い職業と呼ばれる背景になっています。

そのため、ほぼ全ての州で倫理試験の合格が条件です。

150単位ルール

ほぼ全米各州でライセンス取得要件として定められています。

4年生大学での総取得単位150単位が必要です。会計単位やビジネス単位が含まれていることに注意です。

州によって必要な単位数、内訳が異なりますので、チェックしておきましょう。

おすすめはワシントン州!監査実務経験がなくともライセンスを取得可能です。

各州の出願要件及びライセンス取得要件については、以下のリンクをどうぞ

【現職USCPAが解説】米国公認会計士(USCPA)ライセンス取得 難易度・試験概要・受験資格

受験条件となっている単位が不足している方も問題ありません。

多くの資格予備校では、米国公認会計士の受験勉強を通して必要単位数を取得できるようにプログラムが組まれているので安心です。

以下に二大資格予備校、アビタスとTACの単位取得プログラムをご紹介します。

アビタスの単位取得プログラム

アビタスは、カリフォルニア州立大学イーストベイ校 (CSUEB)と提携して、単位取得プログラムを提供しています。

私も利用しましたが、資格勉強をしながら、単位を取得できるので一石二鳥です。

  • 場所・日時:単位認定試験は自宅のPCで受験可能、いつでもOK
  • 時間:60分
  • 出題形式:4択問題30分
  • 合格基準:50%正答率で合格

出典:アビタスホームページ アビタス 単位取得プログラム

TACの単位取得プログラム

TACでは、米国イリノイ州にあるBradly(ブラッドリー)大学と提携して、会計及びビジネス単位の取得プログラムを提携しています。

もちろん、USCPAの授業を受けることが直接単位取得の勉強につながります。

TACでは、出願州別に取得を推奨する科目を一覧にして公開しています。

よく整理されていてわかりやすいですね。

難点は、自宅で単位取得試験を受験することができないこと。

TACはぜひこの点を見直して欲しい。

  • 場所・日時:一年を通して、ピアソンVUE公認テストセンターで受験可能。本番さながらの雰囲気を味あえます。
  • 時間:2時間
  • 出題形式:選択問題50問
  • 合格基準:50%正答率で合格

出典:TACホームページ 資格の学校TAC

合格率 むずかしい?

合格人数に制限はありません。99点満点中、75点以上であれば合格です。

この点、日本の会計士試験とは大きく異なります。

日本での平均合格率は41.2%

日本在住者の平均合格率(2019年)※1平均合格率41.2%
全受験者 合格率(2020年) ※2平均合格率57.7%
FAR(財務会計)50.0%
BEC(ビジネス環境及び諸概念)65.6%
AUD(監査及び証明業務)52.8%
REG(諸法規)62.3%

参照:

※1 AICPA Uniform CPA Examination Summary

※2 Candidate Performance on the Uniform CPA Examination 2019

そもそも受験できるレベルに達するまでの割合が低い資格ですが、受験した人は約3人に1人が合格している計算です。

合格後に入手するプレミアチケットの合格率としては、お得なのではないでしょうか。

試験内容

試験の目的は、以下の能力を図ることとされています。

  • 監査
  • ビジネス概論
  • ビジネス法
  • 税法
  • 会計分野

同時にビジネススキルを測ることや会計士としての責任、職業倫理をテストするためでもあります

これらは、公認会計士としてはもちろんのこと、一般のビジネスマンにとっても必須の能力。

もちろん、全て英語で試されます。

就職・転職市場でこの資格が高く評価されている理由でもあります。

【実録あり】米国公認会計士USCPAが監査法人転職は間違い?30代以降の会計未経験者はこの職種を狙え!

4科目の出題範囲

試験は、FAR, BEC, AUD, REGの4科目に分かれています。

ここでは、各科目の大まかな出題範囲を説明いたします。

より詳細な内容については、以下のページも参照ください

【現職USCPAが解説】米国公認会計士(USCPA)ライセンス取得 難易度・試験概要・受験資格

FAR: Financial Accounting & Reporting

一般に財務会計と呼ばれている分野がFARで出題されます。

企業会計の概念、一般的な会計原則&会計処理(商業簿記の知識に近い)、そして連邦・州・地方政府や非営利法人で使われる公会計も試験範囲です。

大まかな出題範囲
I概念フレームワーク、基準設定と財務報告25-25%
II財務諸表の勘定科目30-40%
III取引(いわゆる仕訳)20-30%
IV州政府および地方政府 公会計5-15%

BEC: Business Environment & Concepts

簿記の管理会計及び原価計算に近い科目ですが、より広い範囲となっています。

企業リスクや内部統制、経済、そしてITについても出題されます。

大まかな出題範囲
I企業リスク管理、内部統制、ビジネスプロセス20-30%
II 経済学(概念と分析)15-25%
III財務管理10-20%
IVIT(情報技術)15-25%
V業務管理15-25%

AUD: Auditing & Attestation

監査や証明業務における一般的な基準や手順、について出題されます。

I倫理、職責、一般原則15-25%
IIリスクの評価と計画的対応の策定25-35%
III監査手続きと証拠の獲得30-40%
IV結論と報告10-20%

REG: Regulation

連邦税法、ビジネス法、そしてUSCPAが税務関連の仕事をする際に関連する倫理や職業責任について出題されます。

数字や法律に関係しているので、暗記・理解力が必要です。

I倫理、職業責任、連邦税制10-20%
IIビジネス法10-20%
III不動産取引 税法12-22%
IV個人所得税 税法15-25%
V法人税 税法28-38%

出題形式

出題形式は、以下の3種類です。

各科目で若干出題割合が異なっています。

AICPAサイトで本番さながらのサンプルテストが公開されています。

USCPA サンプルテスト

各問題例にAICPAのテンプルテストのスクリーンショットを貼り付けています。

4択問題(MCQ Multiple Choice)

パソコン画面上に短い文章やシミュレーションで出題される4択問題です。

FAR, AUD, BEC, REG 全科目で出題されます。

正しい選択肢をクリックして回答します。

参照:AICPA

総合問題(TBS Task-Based Simulation)

米国公認会計士が実際の業務で直面するであろう事例に対して設問が設定され、回答する問題です。

全科目で出題されます。

実務同様にメールやレターを読み解く能力が必要です。

参照元:AICPA

記述式問題(WC Written Communication)

実際の業務で直面するであろう事例に対して、メール形式などで回答する問題です。

英語の文章能力も必要ですが、設問に答える、簡潔に書くといったビジネスマンとしての基本的な能力も試されます。

BECのみからの出題です。

参照元:AICPA

出題割合

各科目の出題割合は下記のようになっています。時間は4時間+15分休憩です。

4択問題(MCQ)シミュレーション問題(SIM)記述式問題(WC)
AUD50%50%
BEC50%35%15%
FAR50%50%
REG50%50%

どんな能力が問われるか?

暗記・理解力・応用力等、下位スキルが中心でしたが、これらは4択問題(MCQ)で50%程度出題されます。

一方、2017年から分析力・評価といった上位スキルを問われるケースが増えています。

これは、米国公認会計士試験が会計士の実務に沿って、会計士が必要とするスキルや知識を確認することを目的としているためです。

例えば、クライアントからのメールでの質問に対して、テンプレートを使って返答するケーススタディです。

このような問題は、シミュレーション問題(TBS Task Based Simulatio)で出題されます。

勉強方法

一般的に独学よりも資格予備校に通うことが一般的です。

残念ながら、1−2年間で効率的に勉強して合格するには、独学は得策ではありません。

とはいえ、お金もなく時間だけはたっぷりあるという方のために無料学習教材をまとめました。

米国公認会計士試験 無料学習教材オススメ3選 これで独学合格も夢じゃない?

すでに説明した通り、4科目合格する必要がありますが、それぞれ勉強方法が異なります。

少々更新を怠けている記事もありますが、ご参考までにどうぞ

【2020年最新】USCPA 試験科目AUDのおすすめ勉強方法 【米国人はみんな知っている】

【2020年最新】CPA 試験科目BECのおすすめ勉強方法

【2020年最新】USCPA試験科目FAR 概要とおすすめ勉強方法

【2021年最新】USCPA試験科目REG概要とおすすめ勉強方法

まとめ

いかがでしたでしょうか。

思ったよりも手続きが面倒と感じた方、やはり英語での試験は難しいと感じた方、色々な方がいらっしゃるかと思います。

できるだけ米国公認会計士ライセンスを取得するまでの流れを簡潔に書いたつもりですが、わかりにくい箇所があったら教えていただけると嬉しいです。

ただ、今になって振り返ると、ライセンスを取得して本当によかった、キャリアを一変させることができたと感じています。

実際にこれらの手続きをこなし、受験勉強を通って合格、ライセンス取得、と数年間の時間と100万円あまりのお金を使いました。

そして現在ライセンスホルダーとしてそれなりの給与をいただいている身としては、やはり苦労した甲斐があったということです。

少しでもこの資格に興味を持ち、人生のプレミアチケットを手に入れたいと考えている方は、是非とも最初の一歩を踏み出してみましょう。

一つ一つの行動が人生を変えていくはずです。

それでは

USCPA/米国公認会計士 国際資格 アビタス
 

 

 

 

 

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