USCPA米国公認会計士 キャリアアップ

2021年7月USCPA試験が変わる!重要ポイントを解説します【米国現地最新情報】

こんにちは、トシです。

2021年7月、USCPA米国公認会計士試験の試験範囲の一部が大きく改定されます。

変更点については、

2020年11月にAICPAが発行したBlueprintsが要チェックください。

と言っても、膨大な英文ですので、とても読んでいられないのが本音ですよね。

そこで、最新情報を元に日本語でわかりやすく変更点をまとめました。

以下の信頼性の高い記事を参考にしています。

  • AICPA発行のJournal of Accountancy 2021年1月号記事

  • 米国大手予備校 Gleimブログ

自己紹介については、下のリンクをクリックください。外資系でマーケティングの仕事をしているUSCPA米国公認会計士です。

管理人プロフィール

資格予備校でも無料の説明会が開催、アビタスでは新試験に対応した教材を2020年10月にリリースしました。

USCPA/米国公認会計士 国際資格 アビタス

過去に試験範囲が変更になった際には、合格率が大きく低下しています。

不安に感じている受験生が多いと思いますので、この記事が少しでも皆さんの対策に参考になれば嬉しいです。

試験内容の変更とは?

USCPA米国公認会計士に求められているスキルや業務内容は、時代によって変化してきました。

前回の大幅変更(2017年)では、内部統制やIFRSとの差異の縮小が焦点でした。

では、合格率はどのように変化したでしょう?

下のグラフをご覧ください。

2011年と2017年に大きく下がり、その後上昇していますね。

変更直後の試験内容に多くの受験生が対応しきれなかったことがわかります。

一方、変更後については、試験傾向が明らかになるにつれて合格率が上昇しています。

今回も同様の状況になると予想していますが、事前にある程度の試験傾向の予想は可能です。

適切に対策をとり、合格を目指しましょう!

2021年の主な変更点

今回変更のポイントは以下3点です。

ポイント

  1. IT(Information Technology System)
  2. 監査システム(Audit Application)
  3. 統制(Controls)

これらはAUDとBECに関わるポイントですね。

ポイント

  • AUD: 監査証拠となるデータの完全性と正確性を測るタスクが追加
  • BEC: ガバナンスと内部統制デザインなどのビジネスプロセスの評価。特にITや業務統制(Application controls)の出題

ビジネスプロセス評価については、監査人がIT統制をいかにして理解するのか、監査技術をどのように利用するのかが試験に出ます。

科目ごとのの変更点

今回大きく変更されるポイントは、AUDとBECに大きく関わっています。

つまり、最も効果的な対策は、AUDとBECは7月までに合格すること!これが最優先です。

後ほど説明しますが、FARとREGについては出題範囲が縮小したり簡素化されますので、7月以降に受験するのも大いにアリです!

2021年AUD試験範囲の変更点

繰り返しますが、今回の変更で最も影響を受ける科目がAUDです。

別の記事でAUDの対策についても解説しているので、よろしければ参照ください。

【2020年最新】USCPA 試験科目AUDのおすすめ勉強方法 【米国人はみんな知っている】

出題範囲毎割合(Content Area Allocation)

出題範囲の割合は以下のように変更されます。

No.Content Area2021年7月まで2021年7月以降
IEthics, Professional Responsibilities and General Principles15-25%15-25%
IIAssessing Risk and Developing a Planned Response20-30%25-35%
IIIPerforming Further Procedures and Obtaining Evidence30-40%30-40%
IVForming Conclusions and Reporting15-25%10-20%

Area IIの出題割合が増加しますね。

リスク評価や監査計画における監査システムやITの利用について出題されるということです。

スキル毎出題割合(Skill Allocation)

Skill Level2021年7月まで2021年7月以降
Level 1. Remembering and Understanding30%-40%25%-35%
Level 2. Application30%-40%30%-40%
Level 3. Analysis15%-25%20%-30%
Level 4. Evaluation5%-15%5%-15%

分析スキルの出題が増え、暗記・理解スキルが減少。

となります。

これは前述のデータ分析(完全性と正確性)スキルを測ることが目的でしょう。

注意点はMC問題とSimulation問題の出題数と配点割合は変化しないということです。

これまでの試験より内容は多角化し、レベルがより高度になることを意味しています。

Blueprintを見てみましょう。

それぞれの出題範囲(Content Area)に追加、削除された項目が記載されています。

Area II, topic C.2.

ビジネスプロセスと内部統制デザインにITシステムが追加

Area II, topic C.4.

一般的なIT知識及び業務統制(Application Control)を削除

Area III, topic G

監査計画について変更あり。ITを使った監査に焦点。

Area III

大幅な変更あり。特にデータ分析が出題される。

Area IV

監査報告等について若干の変更があります。

2021年BEC試験の変更点

BECはAUD同様に大幅改定が予定されている科目です。

それでは早速、各出題範囲の変更点を見ていきましょう。

出題範囲毎割合(Content Area Allocation)

出題範囲毎の割合の変化を表にすると以下のようになります。

NoContent Area2021年7月まで2021年7月以降
ICorporate Governance                           (→Enterprise Risk Management, Internal Control and Business Process)17%-27%20%-30%
IIEconomics17%-26%15%-25%
IIIFinancial Management11%-21%10%-20%
IVIT15%-25%15%-25%
VOperation Management15%-25%15%-25%
Area I

“コーポレートガバナンス(Corporate Governance)”は名前が変わります。

新しい名前は、”Enterprise Risk Management, Internal Controls and Business Process”

日本語では、全社的リスクマネジメント(ERM), 内部統制, ビジネスプロセスとなりますね。

出題割合は20-30%へ増加します。(これまでは17-27%)

Area II

経済(Economics)は出題割合が15-25%へ減少します。(これまでは17-26%)

Area III

財務管理(Financial Management)は出題割合が10-20%へ減少します。(これまでは11-21%)

Area VI

IT分野、最も重要な変更点となります。

特にデータ分析についての出題が追加となります。

データ管理とその関係(Data analysis and relationships)についてはSimulation問題が予想されます。

Area V

業務管理(Operation Management)は出題内容、出題割合ともに変化なしです。

スキル別出題割合(Skill Allocation)は変更なしです。

2021年FARの試験範囲変更点

受験生にとってAUDとBECが改悪される中、FARについては出題範囲が縮小されます!

繰り返しになりますが、7月以降の改編を待って受験しても良いかもしれませんね。

Area I

Conceptual Framework, Standard-setting and Financial Reporting, topic B.8 and B.9, 非継続事業、継続企業が除かれます。

Area III

デリバティブ、ヘッジ会計が出題範囲から外れます。

2021年REGの試験範囲変更点

REGについてはそれほど大きな変更はありません。出題範囲の縮小といってもいいでしょう!

FAR同様に7月以降に受験しても良いかもしれませんね。

具体的には、動産担保取引、Securities Act of 1933, そしてSecurities Exchange Act of 1934が出題範囲から外れます。

出題Area毎にみていきましょう。

Area II

Business Law 債券債務関係について変更があるほか、”Government regulation of business”の名称が“Federal Laws and regulations”へと変更されます。

Area III

“Federal Taxation of Property Transactions, topic C(資産取引 topic C)が出題範囲から外れます。

Area IV

“Federal Taxation of Individuals, topic H(連邦個人税 Topic H) 代替ミニマム税が出題範囲から外れます。

Area V

“Federal Taxation of Entities(連邦法人税) topic C.2, D.2, E.1の一部、topic H “Obtaining and maintaining tax-exempt status(非課税資格の維持・獲得)の全てが出題範囲から外れます。

まとめ

変更ポイントはわかったけれど、どうやって対策を取ればいい?という声が聞こえてきそうです。

対策は二つ。

ポイント

  1. AICPAが提供するサンプルテストを繰り返す。AICPA Exam Sample tests and Tutorials
  2. 予備校の予想問題を繰り返す。

特に重要な対策は"1"です。

なんだそんなことか。という声が聞こえてきそうですが、結局のところはAICPAからの情報が最も信頼性が高いです。

また、AUDとBECの変更点は数%の配点に過ぎないという見方もあります。

いわば、対策が難しく、配点への影響も少ないということ。

あまり時間をかけ過ぎて、他の基本問題を落とさないようにしましょう!

今回の記事が少しでも皆さんの参考になっていれば嬉しいです。

無料の予備校説明会は、当時の私がキャリアについて見直すきっかけになりました。

とりあえず話だけでもという考えでもいいと思いますよ。

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